日韓投資協定 发表时间:2013年09月29日 | 发表人:

 
资料来源:http://www.labornetjp.org/NewsItem/200204KJbit/
日韓投資協定
(投資の自由化、促進及び保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定)
 
 日本国政府及び大韓民国政府は、 両国間の 経済関係を強化するために投資を更に促進することを希望し、 それぞれの国の投資家による他方の国の領域内における投資を拡大するための良好な条件を更に 作り出すことを意図し、 両国における民間の発意を促し及び繁栄を促進する上で投資の漸進的な自由化を図ることが一層重要になっていることを認識し、 一 般に適用される健康上、安全上及び環境上の措置を緩和することなしに、これらの目的を達成することが可能であることを認識し、 両国間の投資を促進する上 で労働者と使用者との間の協調的な関係が有する重要性を認識し、 千九百九十四年四月十五日に署名された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定その他の協 力に関する多数国間の文書に基づく権利及び義務を想起し、 この協定が外国投資についての国際的な規則の発展に関する国際的な協力の強化に寄与するもので あることを希望し、 この協定が二十一世紀における両国間の新たな経済上の連携の起点となることを信じて、 次のとおり協定した。    
     第一条
 
 この協定の適用上、
(1) 「投資家」とは、それぞれの締約国について、次のものをいう。
  (a) 当該締約国の関係法令によりその国籍を有する自然人
  (b) 営利目的であるかないか、また、 民間が所有し若しくは支配しているか又は政府が所有し若しくは支配しているかを問わず、当該締約国の関係法令に基づいて設立され又は組織される法人その他 の団体(会社、社団、信託、組合、個人企業、合弁企業、団体及び組織を含む。)
(2) 「投資財産」とは、投資家により直接又は間接に所有され又は支配されているすべての種類の資産をいい、次のものを含む。
  (a) 企業(営利目的であるかないか、 また、民間が所有し若しくは支配しているか又は政府が所有し若しくは支配しているかを問わず、一方の締約国の関係法令に基づいて設立され又は組織される法 人その他の団体をいい、会社、社団、信託、組合、個人企業、支店、合弁企業、団体及び組織を含む。)
  (b) 株式、出資その他の形態の企業の持分(そこから派生する権利を含む。)
  (c) 債券、社債、貸付金その他の形態の貸付債権(そこから派生する権利を含む。)
  (d) 完成後引渡し、建設、経営、生産又は利益配分その他契約上の権利
  (e) 金銭債権及び金銭的価値を有する契約に基づく給付の請求権
  (f) 商標、意匠、集積回路の回路配置、著作権、特許、営業用の名称、原産地表示又は原産地名称及び開示されていない情報を含む知的所有権
  (g) 天然資源の探査及び採掘のための権利を含む特許に基づく権利
 (h) 有体であるか無体であるかを問わ ず、また、動産であるか不動産であるかを問わず他のすべての資産及び賃借権、抵当権、先取特権、質権その他関連する財産権     投資財産には、投資財 産から生ずる価値、特に、利益、利子、資本利得、配当、使用料及び手数料を含む。投資財産の形態の変更は、その投資財産としての性質に影響を及ぼさない。
(3) 「UNCITRAL仲裁規則」とは、千九百七十六年四月二十八日に国際連合国際商取引法委員会により採択された国際連合国際商取引法委員会の仲裁規則をいう。
(4) 「ICSID条約」とは、千九百六十五年三月十八日にワシントンで作成された国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約をいう。
(5) 「ICSID」とは、ICSID条約により設立された投資紛争解決国際センターをいう。
(6) 「領域」とは、一方の締約国に関しては、当該一方の締約国の主権の下にある領域をいう。
(7) 「締約国」とは、文脈により、日本国又は大韓民国をいう。
 
    第二条
 
1 各締約国は、自国の領域内において、投資 財産の設立、取得、拡張、運営、経営、維持、使用、享有、売却その他の処分(以下「投資及び事業活動」という。)に関し、自国が同様の状況において自国の 投資家及びその投資財産に与える待遇よりも不利でない待遇(以下「内国民待遇」という。)を、他方の締約国の投資家及びその投資財産に与える。
 
2 各締約国は、自国の領域内において、投資及び事業活動に関し、自国が同様の状況において第三国の投資家及びその投資財産に与える待遇よりも不利でない待遇(以下「最恵国待遇」という。)を、他方の締約国の投資家及びその投資財産に与える。
 
    第三条
 
 各締約国は、自国の領域内において、投資家 の権利の行使及び擁護のためすべての審級にわたり裁判所の裁判を受け及び行政機関に申立てをする権利に関し、自国が同様の状況において自国の投資家又は第 三国の投資家に与える待遇よりも不利でない待遇を他方の締約国の投資家に与える。
 
    第四条
 
1 第二条、第八条3又は第九条の規定にかかわらず、各締約国は、これらの規定による義務に適合しない措置(以下「例外措置」という。)を、附属書Ⅰに特定する分野又は事項について採用し又は維持することができる。
 
2 各締約国は、この協定の効力発生の日に、附属書Ⅰに特定する分野又は事項について、その時点において存在するすべての例外措置を他方の締約国に通報する。この規定による通報には、それぞれの例外措置についての要素であって次に掲げるものに関する情報が含まれる。
  (a) 関係の分野及び小分野又は事項
  (b) 当該例外措置に関係する義務又は条項
  (c) 当該例外措置をとる法的根拠又は権限
  (d) 当該例外措置の簡潔な説明
  (e) 当該例外措置をとる理由又は目的
 
 
3 いずれかの締約国が、この協定の効力発生後において附属書Ⅰに特定する分野又は事項について新たな例外措置を採用する場合には、当該締約国は、当該例外措置の実施の前に又は例外的状況においてはその後できる限り速やかに、次のことを行う。  (a) 当該例外措置について2に規定する要素を他方の締約国に通報すること。
  (b) 他方の締約国による要請に応じ、相互の満足を確保することを目的として当該他方の締約国との間で誠実に協議を行うこと。
 
    第五条
 
1 第二条、第八条3又は第九条の規定にかかわらず、各締約国は、この協定の効力発生の日に存在する例外措置を、附属書Ⅱに特定する分野又は事項について維持することができる。
 
2 各締約国は、この協定の効力発生の日に、附属書Ⅱに特定する分野又は事項について、その時点において存在するすべての例外措置を他方の締約国に通報する。この規定による通報には、それぞれの例外措置についての要素であって次に掲げるものに関する情報が含まれる。
  (a) 関係の分野及び小分野又は事項
  (b) 当該例外措置に関係する義務又は条項
  (c) 当該例外措置をとる法的根拠又は権限
  (d) 当該例外措置の簡潔な説明
  (e) 当該例外措置をとる理由又は目的
 
3 各締約国は、2の規定により通報した例外措置を、漸進的に削減し又は撤廃するよう努める。
 
4 いずれの締約国も、この協定の効力発生後においては、附属書Ⅱに特定する分野又は事項について新たな例外措置を採用してはならない。
 
5 4の規定は、締約国が既存の例外措置の改正又は修正を行うことを妨げるものと解してはならない。ただし、当該改正又は修正が、当該改正又は修正を受ける直前における例外措置の第二条、第八条3又は第九条との適合性の水準を減少させるものでないことを条件とする。
 
6 各締約国は、5の改正又は修正を行う場合には、当該改正又は修正を受けた例外措置の実施の前に又は例外的状況においてはその後できる限り速やかに、次のことを行う。
  (a) 当該例外措置について2に規定する要素を他方の締約国に通報すること。
  (b) 他方の締約国による要請に応じ、当該例外措置の詳細を当該他方の締約国に提供すること。
 
 
7 4の規定にかかわらず、各締約国は、資金上、経済上又は産業上の例外的状況においては、附属書Ⅱに特定する分野又は事項についていかなる例外措置も採用することができる。ただし、当該締約国が、当該例外措置の実施の前に次のことを行うことを条件とする。
  (a) 当該例外措置について2に規定する要素を他方の締約国に通報すること。
  (b) 他方の締約国による要請に応じ、当該例外措置の詳細を当該他方の締約国に提供すること。
  (c) 他方の締約国が書面により意見を述べるための合理的な時間を与えること。
  (d) 他方の締約国による要請に応じ、相互の満足を確保することを目的として当該他方の締約国との間で誠実に協議を行うこと。
  (e) (c)の規定により述べられた意見又は(d)の規定により行われた協議の結果を考慮して、適当な行動をとること。
 
    第六条
 
1 この協定のいかなる規定も、知的所有権の 保護に関する国際協定(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定及び世界知的所有権機関の下に締結された 他の国際協定を含む。)であって、両締約国が当事国となっているものに基づく権利を害し及び義務を免れさせるものと解してはならない。
 
2 この協定のいかなる規定も、いずれか一方 の締約国に対し、知的所有権の保護に関する国際協定であって当該一方の締約国が当事国となっているものにより第三国の投資家及びその投資財産に与えている 待遇を、他方の締約国の投資家及びその投資財産に与えることを義務付けるものと解してはならない。
 
    第七条
 
1 各締約国は、法令、一般に適用される行政上の裁定及び司法上の決定並びに国際協定であって、投資及び事業活動に関連し又は影響を与えるものを速やかに公表し、又は公に利用可能なものにする。
 
2 各締約国は、他方の締約国による要請に基づき、1に規定する事項に関して速やかに当該他方の締約国の個別の質問に応じ、当該他方の締約国に情報を提供する。
 
3 1及び2の規定は、締約国に対し、その開示が法令の実施を妨げ、その他公共の利益に反することとなり又は私生活若しくは正当な商業上の利益を害することとなる秘密の情報の開示を要求するものではない。
 
    第八条
 
1 入国及び滞在並びに労働の許可に関する法 令に従い、各締約国は、他方の締約国の投資家に対し、当該投資家又は当該投資家を雇用している当該他方の締約国の企業が自国の領域内において相当な額の資 本その他の資金を投下した投資財産若しくは投下する過程にある投資財産を設立し、開発し若しくは管理し又はその運営に関する助言を行うための一時的な入国 及び滞在を認め、並びに労働の許可を与える。ただし、当該投資家がこの条に規定する要件を満たし続けることを条件とする。
 
2 いずれの締約国も、1の規定により入国を認める際に、割当てによる又は経済上の需要を考慮するとの要件による人数制限を行わない。ただし、次の(a)及び(b)の条件を満たす場合は、この限りでない。
  (a) 当該制限を適用する予定である旨を、その実施予定日の六十日前までに他方の締約国に通報すること。
  (b) 他方の締約国による要請に応じ、当該制限の実施の前に当該他方の締約国との間で協議を行うこと。
 
 
3 いずれの一方の締約国も、他方の締約国の投資家の投資財産である当該一方の締約国の企業が特定の国籍を有する者を取締役、理事又は役員に任命することを要求してはならない。
 
    第九条
 
1 いずれの締約国も、自国の領域内において他方の締約国の投資家が投資及び事業活動を行う条件として、次の要求を課し又は強制してはならない。
  (a) 一定の水準又は割合の物品又はサービスの輸出
  (b) 一定の水準又は割合の現地調達の達成
  (c) 自国の領域内において生産された物品若しくは提供されたサービスの購入、利用若しくは優先又は自国の領域内の自然人若しくは法人その他の団体からの物品若しくはサービスの購入
  (d) 輸入数量又は価額を、輸出数量若しくは価額と又は当該投資家の投資財産に関連する外国為替の流入の量と関連付けること。
  (e) 当該投資家の投資財産により生産される物品又は提供されるサービスの自国の領域内における販売を、輸出数量若しくは価額と又は外国為替収入と関連付けることにより制限すること。
  (f) 次のいずれかの場合を除くほか、技術、製造工程その他の財産的知識を自国の領域内の自然人又は法人その他の団体に転売すること。
    (ⅰ)要求が、競争法の違反に係る救済措置として司法裁判所、行政裁判所又は競争当局によって課され又は強制される場合
    (ⅱ)要求が、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定に反しない方法で行われる知的所有権の移転に関する場合
  (g) 自国の領域内に当該投資家の特定地域又は世界市場に向けた事業本部を設置すること。
  (h) 自国の領域内において一定の水準又は価額の研究開発を達成すること。  (i) 一定の水準の自国民を雇用すること。
  (j) 当該投資家が生産する物品又は提供するサービスの一又は二以上を、特定地域又は世界市場に向けて自国の領域のみから供給すること。
 
 
2 いずれの締約国も、自国の領域内における他方の締約国の投資家の投資及び事業活動に関し、利益の付与又はその継続の条件として1(f)から(j)までに規定する要求のいずれかに従うことを求めることを、1の規定により妨げられるものではない。
 
3 この条のいかなる規定も、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一A貿易に関連する投資措置に関する協定に基づく締約国の権利を害し及び義務を免れさせるものと解してはならない。
 
    第十条
 
1 各締約国は、自国の領域内にある他方の締約国の投資家の投資財産に対し、公正かつ衡平な待遇並びに十分かつ継続的な保護及び保障を与える。
 
2 いずれの締約国も、(a)公共のためであ り、(b)差別的なものでなく、(c)迅速、適当かつ実効的な補償の支払を伴い、かつ、(d)正当な法の手続に従ってとられるものである場合を除くほか、 自国の領域内にある他方の締約国の投資家の投資財産について、収用若しくは国有化又は収用若しくは国有化と同等の措置(以下「収用」という。)を実施して はならない。
 
3 補償は、収用の直前における投資財産の公 正な市場価格に相当するものでなければならない。公正な市場価格には、収用がそれ以前に公に知られることにより生じた価格の変化を反映させてはならない。 当該補償は、遅滞なく支払われなければならず、かつ、支払の時までの期間を考慮した妥当な利子を付したものでなければならない。当該補償は、実際に換価を すること及び自由に移転をすることのできるものでなければならず、かつ、収用の日の市場における為替相場により、関係の投資家の締約国の通貨及び国際通貨 基金協定に規定する自由利用可能通貨に自由に交換することのできるものでなければならない。
 
4 第十五条の規定の適用に影響を与えることなく、収用の影響を受ける投資家は、この条に定める原則に従う当該投資家の事案及び補償の額の速やかな審査のため、収用を行う締約国の裁判所の裁判を受け又はその行政機関に対して申立てをする権利を有する。
 
    第十一条
 
 いずれか一方の締約国の投資家であって、他 方の締約国の領域内において、敵対行為又は当該他方の締約国の領域内における革命、暴動、国内騒乱その他これらに類する緊急事態により投資及び事業活動に 関して損失又は損害を被ったものは、原状回復、損害賠償、補償その他の解決方法に関し、当該他方の締約国が自国の投資家又は第三国の投資家に与える待遇の うち当該一方の締約国の投資家にとっていずれか有利なものよりも不利でない待遇を与えられる。
 
    第十二条
 
1 各締約国は、自国の領域に向けた又はその領域からのすべての支払その他の資金の移転であって、自国の領域内にある他方の締約国の投資家の投資財産に関連するものが、遅滞なく、かつ、自由に行われることを確保する。この資金の移転には、特に次のものの移転を含む。
  (a) 投資財産を維持し又は増大させるための当初の及び追加的な資金
  (b) 利益、利子、配当、資本利得、使用料又は手数料
  (c) 返済金その他契約に基づいて行われる支払
  (d) 投資財産の全部又は一部の売却又は清算によって得られる収入
  (e) 前二条の規定に従って行われる支払
  (f) 第十五条の規定に基づく紛争の処理から生ずる支払
  (g) 当該他方の締約国から来訪した者であって、投資財産に関連する活動に従事するものの収入その他の報酬
 
2 いずれの締約国も、資金の移転が遅滞なく、かつ、自由交換可能通貨により移転の日の市場における為替相場で行われることを妨げてはならない。
 
3 1及び2の規定にかかわらず、各締約国は、次の事項に関する自国の法律を衡平、無差別かつ善意に適用する場合には、資金の移転を遅らせ又は妨げることができる。
  (a) 破産、債務不履行又は債権者の権利の保護
  (b) 証券の発行、交換又は取引
  (c) 刑事犯罪
  (d) 裁決手続における命令又は判決の履行の確保
 
    第十三条
 
 一方の締約国又はその指定する機関が、当該 一方の締約国の投資家に対し、他方の締約国の領域内にある当該投資家の投資財産に関連するてん補に係る契約、保証契約又は保険契約に基づいて支払を行う場 合には、当該他方の締約国は、当該支払の前提となった当該投資家の権利又は請求権の当該一方の締約国又はその指定する機関への譲渡を承認し、かつ、当該一 方の締約国又はその指定する機関が、代位により、当該投資家の当初の権利又は請求権と同じ範囲において権利又は請求権を行使する権利を有することを承認す る。当該権利又は請求権の譲渡に基づき一方の締約国又はその指定する機関に対して行われる支払及び支払われる資金の移転については、第十条2から4まで及 び前条の規定を準用する。
 
    第十四条
 
1 両締約国は、いずれか一方の締約国による要請に応じ、この協定に関連するすべての紛争を解決するため、又はこの協定の解釈若しくは適用若しくはこの協定の目的の実現に関するすべての事項を討議するために、速やかに協議を行う。
 
2 この協定の解釈又は適用に関する両締約国 間の紛争であって、協議により満足に解決できなかったものは、いずれか一方の締約国の書面による要請に基づき、適用可能な国際法の規則に基づき行われ、か つ、拘束力のある決定を得るために仲裁裁判所に付託される。この条に別段の定めがある場合その他両締約国の別段の合意がある場合を除くほか、次に掲げる範 囲のもの以外の事項については、UNCITRAL仲裁規則を準用する。
  (a) UNCITRAL仲裁規則のうち両締約国により修正される範囲
  (b) UNCITRAL仲裁規則のうち3の規定に従って任命された仲裁人により修正される範囲。ただし、いずれの締約国も異議のないことを条件とする。
 
3 2に規定する要請の受領の日から二箇月以 内に、各締約国は各一名の仲裁人を任命する。このようにして任命された二名の仲裁人は、仲裁裁判長となる者として第三の仲裁人(第三国の国民でなければな らない。)を選定する。この3の規定に基づく仲裁人の任命に関する他の事項については、三名の仲裁人から構成される仲裁委員会の仲裁委員の任命に適用され るUNCITRAL仲裁規則を準用する。この場合において、UNCITRAL仲裁規則中の任命権者は、ICSID事務局長とする。
 
4 両締約国の別段の合意がある場合を除くほ か、第三の仲裁人の選定の日から六箇月以内にすべての文書の提出が行われ、かつ、すべての弁論が終了しなければならない。仲裁裁判所は、最後の文書の提出 又は弁論の終結の日のうちいずれか遅い方の日から二箇月以内に決定を行う。当該決定は最終的なものであり、かつ、拘束力を有する。
 
5 仲裁裁判長その他の仲裁人に係る費用及び仲裁手続に係る他の費用は、両締約国が均等に負担する。もっとも、仲裁裁判所は、自己の裁量により、両締約国のうちいずれか一方がより多くの費用を支払うべきことを決定することができるものとする。
 
    第十五条
 
1 この条の規定の適用上、「投資紛争」とは、一方の締約国と他方の締約国の投資家との間の紛争であって、他方の締約国の投資家の投資財産に関し、この協定に基づき与えられる権利が侵害されたことを理由として又はこのことにより損失又は損害を生じさせたものをいう。
 
2 投資紛争が生じた場合には、当該投資紛争は、可能な限り、協議又は交渉により解決する。このような協議又は交渉によっても当該投資紛争が解決されない場合には、投資家は、次のいずれかに当該投資紛争を付託し、解決を求めることができる。
  (a) 事前に合意し、かつ、適用可能な紛争解決手続
  (b) 3に規定する紛争解決手続
 
3 投資紛争が、投資家から書面により協議又 は交渉の要請のあった日から三箇月以内に解決されず、かつ、投資家が2(a)に規定する紛争解決手続又は司法的若しくは行政的解決に当該投資紛争を付託し なかった場合には、当該投資家は、次のいずれかに当該投資紛争を付託し、拘束力のある仲裁による解決を求めることができる。
  (a) 両締約国がICSID条約の当事国である場合には、ICSIDによる仲裁手続
  (b) UNCITRAL仲裁規則による仲裁手続
  (c) 当該投資紛争の両当事者が合意する他の仲裁機関又は仲裁規則による仲裁手続
  関係の投資家が2及び3の規定により投資紛争をいずれかの紛争解決手続に付託した場合には、当該投資家は、2及び3に定める他の紛争解決手続に当該投資紛争を付託することはできない。ただし、当該投資紛争の当事者の別段の合意がある場合は、この限りでない。
  各締約国は、投資紛争を(a)又は(b)に規定する国際的な仲裁手続に付託することについて、ここに同意を与える。
 
4 3の規定に従い投資紛争を紛争解決手続に付託しようとする投資家は、当該投資紛争の当事者である締約国に対し、付託の要請が行われる少なくとも九十日前に書面によりその旨の通報を行う。通報には、次の事項を明記する。
  (a) 当該投資家の氏名又は名称及び住所
  (b) 問題となる当該締約国の特定の措置並びに問題の所在を明確にする上で十分な事実及び法的根拠の簡潔な要約(この協定のいずれの規定について違反があったとされるかについての特定を含む。)
  (c) 当該投資家の求める救済手段(必要に応じて、損害賠償請求額の概算を含む。)
  (d) 3(a)から(c)までに規定する紛争解決手続のうち当該投資家の求めるもの
 
5 3の規定にかかわらず、投資家は、損失又は損害が生じたことを知った日又は知ったと考えられる最初の日から三年を越える期間が経過した場合には、3の規定による請求を行うことができない。
 
6 この条の規定により行われる裁定は、最終的なものとし、かつ、付託された投資紛争の当事者を拘束する。各締約国は、当該裁定を遅滞なく実施し、及び自国の領域内において関係法令に従い当該裁定の執行を行う。
 
7 2の後段及び3の規定は、第十七条又は第十八条の規定が規律する締約国の措置については、適用しない。両締約国の権限のある当局は、一方の締約国の要請に応じ、この7の規定の適用について協議を行う。
 
8 この条のいかなる規定も、投資紛争の当事者である締約国の領域内において、投資家が司法的又は行政的解決を求めることを妨げるものではない。
 
    第十六条
 
1 この協定(第十一条を除く。2及び3において同じ。)の他のいかなる規定にもかかわらず、各締約国は、次の措置をとることができる。
  (a) 自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める次の措置
    (ⅰ)戦時、武力紛争その他の自国又は国際関係の緊急時にとる措置
    (ⅱ)兵器の不拡散に係る国内政策又は国際協定の実施に関連してとる措置
  (b) 国際の平和及び安全の維持のため国際連合憲章に基づく義務に従ってとる措置
  (c) 人、動物又は植物の生命又は健康の保護のために必要な措置
  (d) 公の秩序の維持のために必要な措置。ただし、社会のいずれかの基本的な利益に対し真正かつ重大な脅威がもたらされる場合に限る。
 
2 各締約国は、この協定上の義務に適合しない措置を1の規定によりとる場合であっても、当該義務を回避する手段として当該措置を用いることとしてはならない。
 
3 各締約国は、この協定上の義務に適合しない措置を1の規定によりとる場合には、当該措置の実施の前に又はその後できる限り速やかに、当該措置についての要素であって次に掲げるものを、他方の締約国に通報する。
  (a) 関係の分野及び小分野又は事項
  (b) 当該措置に関係する義務又は条項
  (c) 当該措置をとる法的根拠又は権限
  (d) 当該措置の簡潔な説明
  (e) 当該措置をとる理由又は目的
 
4 第二条1の規定にかかわらず、いずれの締約国も、自国の領域内における他方の締約国の投資家の投資及び事業活動に関して特に手続を定めることができる。ただし、当該手続は、この協定の下における当該投資家の権利を実質的に害するものであってはならない。
 
    第十七条
 
1 いずれの締約国も、次のいずれかの場合においては、第二条1の規定に基づく義務であって国境を越える資本取引に係るもの及び第十二条の規定に基づく義務に適合しない措置を採用し又は維持することができる。
  (a) 国際収支及び対外資金に関して重大な困難が生じており又は生ずるおそれのある状況にある場合
  (b) 例外的な状況において、資金の移転が経済全般の運営、特に通貨及び外国為替政策に重大な困難をもたらし又はもたらすおそれのある状況にある場合
 
2 1の措置は、次のすべての要件を満たすものとする。
  (a) 国際通貨基金協定の加盟国である限りにおいて、同協定に適合するものであること。
  (b) 1に規定する状況に対処するために必要な限度を超えないものであること。
  (c) 一時的なものであり、かつ、事情の許す限り速やかに廃止されるものであること。
  (d) 他方の締約国に対し、速やかに通報されるものであること。
 
3 この協定のいかなる規定も、国際通貨基金協定に基づく各締約国の権利及び義務を変更するものではない。
 
    第十八条
 
1 この協定の他のいかなる規定にもかかわらず、各締約国は、信用秩序の維持のための措置(投資家、預金者、保険契約者若しくは信託上の義務を金融サービス提供企業が負う者を保護し又は金融体系の健全性及び安全性を確保するための措置を含む。)をとることを妨げられない。
 
2 各締約国は、この協定上の義務に適合しない措置を1の規定によりとる場合であっても、当該義務を回避するための手段として当該措置を用いることとしてはならない。
 
 第十九条
 
1 この協定のいかなる規定も、2から4までに規定する条項を除くほか、租税に係る課税措置には適用しない。
 
2 第一条、第三条、第七条、第十条、第二十二条及び第二十三条の規定は、租税に係る課税措置に適用する。
 
3 第十四条及び第十五条の規定は、租税に係る課税措置に関する紛争のうち、2に掲げる条項に係るものについて適用する。
 
4 次条の規定は、租税に係る課税措置に関する事項のうち、2に掲げる条項に係るものについて適用する。
 
    第二十条
 
1 両締約国は、この協定の目的を達成するため、次のことを任務とする合同委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
  (a) この協定の実施及び運用について討議し、及び検討すること。
  (b) 第五条の規定に従って維持され、改正され若しくは修正され又は採用された措置について、その削減又は撤廃に寄与することを目的として検討すること。
  (c) 第四条の規定に従って採用され又は維持された措置について、両締約国の投資家にとり良好な条件の整備を促進することを目的として討議すること。
  (d) 投資に関連するその他の事項であってこの協定に関係するものについて討議すること。
 
2 委員会は、必要に応じて、この協定の機能を強化し又はその目的を達成するために、コンセンサス方式による決定により、両締約国に適当な勧告を行うことができる。
 
3 委員会は、両締約国の代表から成る。委員会は、任務を遂行するための手続規則を定める。
 
4 委員会は、小委員会を設置し、特定の作業を行わせることができる。委員会は、両締約国の同意が得られる場合には、民間部門との共同会合を開催することができる。
 
5 両締約国が別段の決定を行う場合を除くほか、委員会は、毎年一回及びいずれか一方の締約国の要請により、会合を行う。
 
    第二十一条
 
 両締約国は、環境上の措置の緩和を通じてそ れぞれ他方の締約国の投資家による投資を奨励することが適当でないことを認める。各締約国は、自国の領域内における他方の締約国の投資家による投資財産の 設立、取得又は拡張を奨励する手段として環境上の措置の適用の免除その他の逸脱措置を行うべきではない。
 
    第二十二条
 
1 各締約国は、この協定に基づく義務を履行するに当たり、自国の領域内の地方政府によるこの協定の遵守を確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
 
2 一方の締約国は、他方の締約国の投資家のうち、第一条(1)(b)の法人その他の団体であって、第三国の投資家により所有され又は支配されるもの及びその投資財産に対して、この協定による利益を次のいずれの場合においても否認する権利を留保する。
  (a) 当該一方の締約国が当該第三国との間で正常な経済関係を有していない場合
  (b) 当該他方の締約国の関係法令に基づいて設立され又は組織された当該他方の締約国の投資家が当該他方の締約国の領域内において実質的な事業活動を行っていない場合
 
3 第二条2の規定は、各締約国が、自由貿易地域若しくは関税同盟の構成国又は経済統合のための国際協定その他これに類する国際協定の当事国であることに伴う特恵的な待遇を、他方の締約国の投資家及びその投資財産に与えることを義務付けるものではない。
 
    第二十三条
 
1 この協定は、この協定の効力発生に必要な 国内法上の手続が完了した旨を通告する外交上の公文の交換の日の後三十日目の日に効力を生ずる。この協定は、十年の期間効力を有するものとし、その後は、 2に定めるところに従って終了する時まで引き続き効力を有する。この協定は、いずれか一方の締約国の投資家の投資財産であって、この協定の効力発生前に他 方の締約国の領域において当該他方の締約国の関係法令に従って取得されたものについても適用する。
 
2 いずれの締約国も、一年前に他方の締約国に対して書面による予告を与えることにより、最初の十年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
 
3 この協定の終了の日の前に取得された投資財産に関しては、この協定の規定は、この協定の終了の日から更に十年の期間引き続き効力を有する。
 
4 この協定は、この協定の効力発生前に生じた事態に起因する請求又はこの協定の効力発生前に既に解決されている請求については適用しない。
 
5 附属書は、この協定の不可分の一部を成す。
 
 以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
 
 二千二年三月   日にソウルで、ひとしく正文である日本語、韓国語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。  日本国政府のために   大韓民国政府のために
 
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附属書Ⅰ
 
第二条、第八条3及び第九条の規定の適用における例外に係る分野又は事項
 
大韓民国
一 防衛産業
二 放送業
三 ネットワーク管理事業
四 漁業
五 たばこ産業
六 電気業
七 ガス業
八 非居住者との間の資本取引(ウォンで表示される貸付け、ウォンで表示される短期証券、外国通貨で表示される金銭上の信用、保証又は担保、財務が不健全な法人による非居住者からの借入れ及び金融派生商品取引)
九 外国人による土地の取得
十 原子力産業
十一 映画産業(映写時間の割当て)
十二 新聞発行業(発行者又は編集者についての制限)
十三 通信社業(発行者又は編集者についての制限)
十四 雑誌及び定期刊行物発行業(発行者又は編集者についての制限)
十五 公的独占(附属書Ⅱの対象であるものを除く。)の維持、指定又は廃止(民営化を含む。)
十六 国営企業(附属書Ⅱの対象であるものを除く。)の維持、設立又は処分(民営化を含む。)
十七 補助金
一から十七まで(四及び九を除く。)に特定する分野又は事項については、最恵国待遇が与えられる。
 
日本国
一 領海及び内水における漁業
二 火薬類製造業
三 原子力産業
四 航空機産業
五 武器産業
六 宇宙開発産業
七 放送業
八 金融サービス(預金保険)
九 電気業
十 ガス業
十一 公的独占の維持、指定又は廃止(民営化を含む。)
十二 国営企業の維持、設立又は処分(民営化を含む。)
十三 補助金
二から十三までに特定する分野又は事項については、最恵国待遇が与えられる。
 
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附属書Ⅱ
 
第二条、第八条3及び第九条の規定の適用における例外に係る分野又は事項
 
大韓民国
一 稲作及び麦作
二 肉牛飼育業
三 肉卸売業
四 電気通信業(ネットワーク管理事業を 除く。)
五 水運業
六 航空運輸業
七 屋外広告業
八 金融サービス(外国銀行の駐在員事務所、外国信用情報会社の支店、韓国産業銀行及び韓国輸出入銀行)
九 航空機登録原簿への航空機の登録及びその登録から生ずる事項
十 船舶の国籍に関する事項又はその国籍から生ずる事項及び船舶又は船舶に関する利益の取得
 
日本国
一 農林水産業に関連する一次産業(附属書Ⅰの対象であるものを除く。)
二 石油業
三 鉱業
四 生物学的製剤製造業
五 皮革及び皮革製品製造業
六 上水道業
七 鉄道事業
八 一般乗合旅客自動車運送業
九 貨物運送取扱事業
十 水運業
十一 航空運輸業
十二 電気通信業
十三 警備業
十四 熱供給業
十五 航空機登録原簿への航空機の登録及びその登録から生ずる事項
十六 船舶の国籍に関する事項又はその国籍から生ずる事項及び船舶又は船舶に関する利益の取得
 
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合意された議事録
 
 下名は、本日署名された投資の自由化、促進及び保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定(以下「協定」という。)の交渉において到達した次の了解を記録する。
 
1 両締約国は、協定第二条に関し、各締約国が他方の締約国の投資家及びその投資財産に対し同条1及び2に定める待遇のうち当該投資家又はその投資財産にとっていずれか有利な待遇を与える義務を負う旨の了解を確認する。
 
2 両締約国は、日本国の出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成二年五月二十四日法務省令第十六号)が協定第九条1(ⅰ)の規定に基づく義務に適合する旨の了解を確認する。
 
3 両締約国は、商業的な利率による利子を伴う補償が、協定第十条3に規定する妥当な利子を伴う補償とみなされる旨の了解を確認する。
 
4 両締約国は、次の要求が協定第九条1の規定に基づく義務に反するものではない旨の了解を確認する。
  (a) 一定の水準の障害者の雇用
  (b) 赤十字社を通ずる血液製剤原料の購入
  (c) 一定の水準の国家功労者の雇用
  (d) 自国内で回収された廃棄物の再利用
  (e) 総合建設事業者によるその業務に係る下請契約の締結
 
5 両締約国は、政府調達についてはこの協定の適用がない旨の了解を確認する。
 
6 両締約国は、協定第十条の規定に関し、いずれかの租税に係る課税措置が収用に該当するかどうかを判断するに当たっては、次の事項を考慮すべき旨の了解を確認する。
  (a) 租税の賦課は、一般に収用を構成しない。単に新たな課税措置を導入すること、一の投資財産につき複数の管轄区域で租税が賦課されること又は課税措置の下で多大の負担の要求が行われること自体は、それらのみで収用に該当することとはならない。
  (b) 課税措置であって、概して、国際的に認められた租税上の政策及び慣行の範囲内にあるものは、収用を構成するものとは認められない。租税の回避又は脱税の防止を目的とする課税措置は、一般に収用に類する性格を有するものと認めるべきではない。
  (c) すべての納税者に適用されるもの その他一般的に適用される課税措置であっても収用を構成する可能性はあるが、特定の国民又は納税者を対象とする特定性の高い課税措置と比較するならば、一 般的に適用される課税措置が収用を構成する可能性は、実行上、小さい。投資が行われた時点で有効な課税措置であって、透明性のあるものについては、収用に 類する性格を有するものとはなり難い。
 
7 両締約国は、協定附属書Ⅰに関し、次の了解を確認する。
  (a) 「公的独占」とは、締約国により、その領域内の関連市場におけるいずれかの物品又はサービスの唯一の供給者又は購入者として指定された者又は団体をいう。
  (b) 「国営企業」とは、締約国が持分の所有を通じて所有し又は支配している企業をいう。
 
8 両締約国は、協定の効力発生の日に存在し なかった新たな分野が、協定の効力発生後にいずれかの締約国において生じ、これに伴い当該締約国が協定附属書の改正を求める場合には、当該締約国による要 請に応じ、附属書の改正のための協議を両締約国間で直ちに行うこととする旨の了解を確認する。
 
 
 二千二年三月   日にソウルで
 
 日本国政府のために
 大韓民国政府のために 
 
 


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