特定秘密保護法運用基準(全文) 发表时间:2014年10月15日 | 发表人:

    特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準
    目次
    Ⅰ 基本的な考え方
    1 策定の趣旨
    2 特定秘密保護法の運用に当たって留意すべき事項
    (1) 拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道・取材の自由の尊重
    (2) 公文書管理法及び情報公開法の適正な運用
    3 特定秘密を取り扱う者等の責務
    Ⅱ 特定秘密の指定等
    1 指定の要件
    (1) 別表該当性
    (2) 非公知性
    (3) 特段の秘匿の必要性
    (4) 特に遵守すべき事項
    2 実施体制
    3 指定手続
    4 指定の有効期間の設定
    5 指定に関する関係行政機関の協力
    6 指定した特定秘密を適切に保護するための規程
    Ⅲ 特定秘密の指定の有効期間の満了、延長、解除等
    1 指定の有効期間の満了及び延長
    (1) 指定時又は延長時に定めた有効期間が満了する場合
    (2) 指定の有効期間の満了
    (3) 有効期間の延長の周知等
    (4) 通じて30年を超えて延長する場合
    2 指定の解除
    (1) 指定の理由の点検等
    (2) 解除の周知等
    (3) 特定秘密表示の抹消
    (4) 指定解除表示
    3 指定が解除され、又は指定の有効期間が満了した当該指定に係る情報を記録する行政文書で保存期間が満了したものの取扱い
    (1) 指定の有効期間が通じて30年を超える特定秘密
    (2) 指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密
    Ⅳ 適性評価の実施
    1 適性評価の実施に当たっての基本的な考え方
    (1) プライバシーの保護
    (2) 調査事項以外の調査の禁止
    (3) 適性評価の結果の目的外利用の禁止
    (4) 基本的人権の尊重等
    2 実施体制
    (1) 適性評価実施責任者
    (2) 適性評価実施担当者
    (3) 関与の制限
    (4) 留意事項
    3 評価対象者の選定
    (1) 名簿の提出
    (2) 行政機関の長の承認
    (3) 留意事項
    4 適性評価の実施についての告知と同意
    (1) 評価対象者に対する告知
    (2) 同意の手続
    (3) 不同意の場合の措置
    (4) 同意の取下げ
    5 調査の実施
    (1) 評価対象者による質問票の記載と提出
    (2) 上司等に対する質問等
    (3) 人事管理情報等による確認
    (4) 評価対象者に対する面接等
    (5) 公務所又は公私の団体に対する照会
    (6) 留意事項
    6 評価
    (1) 評価の基本的な考え方
    (2) 評価の際に考慮する要素
    7 結果等の通知
    (1) 評価対象者への結果及び理由の通知
    (2) 特定秘密管理者等への結果の通知
    8 苦情の申出とその処理
    (1) 苦情の処理のための体制
    (2) 苦情の申出
    (3) 苦情の処理の手続
    (4) 苦情処理結果の通知
    (5) 留意事項等
    9 適性評価実施後の措置
    (1) 行政機関の職員が特定秘密保護法第12条第1項第3号に該当する可能性がある場合の措置
    (2) 適合事業者の従業者が特定秘密保護法第12条第1項第3号に該当する可能性がある場合の措置
    10 適性評価に関する個人情報等の管理
    (1) 適性評価に関する文書等の管理
    (2) 行政機関における個人情報等の管理
    (3) 適合事業者等における個人情報等の管理
    (4) 適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限
    11 研修
    12 適性評価の実施に関する関係行政機関の協力
    13 警察本部長による適性評価
    14 特定秘密保護法の公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日の前日までの特定秘密の取扱いに関する経過措置
    Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等
    1 内閣官房及び内閣府の任務並びにその他の行政機関の協力
    2 内閣総理大臣による指揮監督
    3 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の検証・監察・是正
    (1) 内閣府独立公文書管理監による検証・監察・是正
    (2) 行政機関の長による特定秘密指定管理簿の写しの提出等
    4 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正に関する通報
    (1) 通報の処理の枠組み
    (2) 通報の処理
    (3) 通報者の保護等
    5 特定秘密保護法第18条第2項に規定する者及び国会への報告
    (1) 内閣総理大臣への報告等
    (2) 特定秘密保護法第18条第2項に規定する者への報告
    (3) 国会への報告及び公表
    6 その他の遵守すべき事項
    Ⅵ 本運用基準の見直し
    Ⅶ 本運用基準の施行日
    Ⅰ 基本的な考え方
    1 策定の趣旨
     特定秘密の保護に関する法律(平成25年法律第108号。以下「特定秘密保護法」という。)の統一的な運用を図るため、特定秘密保護法第18条第1項の規定に基づき、「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」(以下「本運用基準」という。)を定める。
     本運用基準は、行政機関の長をはじめ、特定秘密保護法の運用その他特定秘密に関する業務を行う全ての者が、本運用基準が定める内容に従って特定秘密保護法の運用を統一的に行うことにより、特定秘密の漏えいの防止を図るとともに、その適正を確保するために定めるものである。
     なお、本運用基準における用語の定義は、特定秘密保護法又は特定秘密の保護に関する法律施行令(平成26 年政令第 号。以下「施行令」という。)の定めるところによる。
    2 特定秘密保護法の運用に当たって留意すべき事項
    (1) 拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道・取材の自由の尊重
     特定秘密保護法は、第22条第1項及び第2項において、その適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならないこと、及び出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとすることを定めている。当該規定は、行政機関等における解釈適用の準則、すなわち、特定秘密保護法の運用その他特定秘密に関する業務を行う全ての者が特定秘密保護法を解釈適用するに当たって従わなくてはならない基準である。特定秘密保護法の運用その他特定秘密に関する業務を行う全ての者は、当該規定の内容を十分に理解し、以下の点に留意しなければならない。
    ア 特定秘密保護法が定める各規定を拡張して解釈してはならず、厳格にこれを適用すること。
     特に、特定秘密保護法第3条第1項、第4条及び別表各号については、この点により一層留意し、本運用基準Ⅱ1、Ⅱ4(1)、Ⅲ1(1)等の規定に従って、必要最小限の情報を必要最低限の期間に限って特定秘密として指定するものとすること。
    イ 憲法に規定する基本的人権を不当に侵害することのないようにすること。特に、適性評価の実施に当たっては、プライバシーの保護に十分に配慮しなければならないこと。
    ウ いわゆる国民の知る権利は、憲法第21条の保障する表現の自由や、憲法のよって立つ基盤である民主主義社会の在り方と結び付いたものとして、十分尊重されるべきものであること。特に、報道又は取材の自由については、国民の知る権利を保障するものとして十分に配慮することとし、出版又は報道の業務に従事する者と接触する際には、特定秘密保護法第22条第1項及び第2項の規定を遵守すること。
    (2) 公文書管理法及び情報公開法の適正な運用
     行政文書(公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下「公文書管理法」という。)第2条第4項に規定する行政文書をいう。以下同じ。)は、公文書管理法に基づき管理され、また、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。)に基づく開示請求がされた場合には、情報公開法第5条各号に掲げる不開示情報を除き、開示されることとなる。
     特定秘密である情報を記録する行政文書も、公文書管理法及び情報公開法が当然適用される。すなわち、特定秘密である情報を記録する行政文書についても、指定が解除され、又は指定の有効期間が満了し、当該行政文書の保存期間が満了した場合に、歴史公文書等(公文書管理法第2条第6項に規定する歴史公文書等をいう。以下同じ。)に該当するものは、国立公文書館等に移管されることとなる。また、何人も、情報公開法に定めるところにより、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を記録する行政文書の開示を請求することができ、開示請求を受けた行政機関の長は、情報公開法に基づき、開示・不開示の決定を行うこととなる。特定秘密に係る部分は、特定秘密に指定される情報の性質上、情報公開法第5条に規定する不開示情報の一部に該当するものと解されるが、実際に開示・不開示の決定を行う際には、当該部分が情報公開法上の不開示情報に該当するか否かについて厳格に判断する必要がある。
     なお、当該特定秘密に係る部分について不開示決定がなされた場合であって、当該不開示決定について不服申立てがなされたときは、行政機関の長の諮問に応じ、情報公開・個人情報保護審査会等(以下単に「審査会等」
    という。)が当該不開示決定の適否を調査審議することとなる。この場合において、審査会等は、必要があると認めるときは、情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成15年法律第60号)第9条第1項(会計検査院法(昭和22年法律第73号)第19条の4において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に基づき、当該行政機関の長に対し、当該不開示決定に係る行政文書の提示を求めることができ、提示を求められた当該行政機関の長は、特定秘密保護法第10条第1項第3号又は第4号の規定に基づき、審査会等に特定秘密を提供することとなる。そして、審査会等による調査審議の結果、行政機関の長が当該特定秘密に係る部分を開示する際は、その指定を解除することとなる。
     特定秘密保護法の運用その他特定秘密に関する業務を行う全ての者は、これらの点について十分に理解した上で、特定秘密保護法だけではなく、公文書管理法及び情報公開法についても各規定の内容を正確に理解してその適正な運用を徹底し、国民に対する説明責務を全うしなければならない。
    3 特定秘密を取り扱う者等の責務
    (1) 特定秘密を取り扱う者は、特定秘密保護法、施行令、本運用基準及び各種関連規程の内容を十分に理解し、これらの適正な運用の確保を図りつつ、特定秘密の保護のための措置を適確に講じなければならない。
    (2) 特定秘密を取り扱う者は、自身が特定秘密の漏えいの働き掛けを受ける対象となり得ることを十分に認識し、施行令第12条第2項に基づき実施される特定秘密の保護に関する教育を受講するなどして規範意識を常に高く保たなければならない。
    (3) 特定秘密を取り扱う者は、特定秘密の漏えいの働き掛けを受けた場合又はその兆候を認めた場合には、上司その他の適当な者へ報告するなど、適切に対処するものとする。
    (4) (1)から(3)までは、特定秘密を取り扱わなくなった者についても、同様とする。
    Ⅱ 特定秘密の指定等
    1 指定の要件
     特定秘密保護法第3条第1項は、行政機関の長が指定する特定秘密について、以下の3つの要件を規定している。
    ・ 当該行政機関の所掌事務に係る特定秘密保護法別表に掲げる事項に関する情報であること(以下「別表該当性」という。)。
    ・ 公になっていない情報であること(以下「非公知性」という。)。
    ・ その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である情報であること(以下「特段の秘匿の必要性」という。)。
     行政機関の長が指定しようとする情報が、この3つの要件を満たすか否かを判断するに当たっての基準は以下のとおりとする。
    (1) 別表該当性
     別表該当性の判断は、以下のとおり特定秘密保護法別表に掲げる事項の範囲内でそれぞれの事項の内容を具体的に示した事項の細目に該当するか否かにより行うものとする。なお、事項の細目に該当する情報の全てを特定秘密として指定するものではなく、当該情報のうち、後述の非公知性及び特段の秘匿の必要性の要件を満たすもののみを特定秘密として指定する。
    【別表第1号(防衛に関する事項)】
    イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究
    a 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究のうち、以下に掲げる事項に関するもの(bに掲げるものを除く。)
    (a) 自衛隊の訓練又は演習
    (b) 自衛隊の情報収集・警戒監視活動((c)に掲げるものを除く。)
    (c) 自衛隊法(昭和29年法律第165号)に規定する防衛出動、治安出動、自衛隊の施設等の警護出動その他の我が国の安全を確保するための自衛隊の行動
    b 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究であってアメリカ合衆国の軍隊との運用協力に関するもの(同国において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    ロ 防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報
    a 電波情報、画像情報その他情報収集手段を用いて収集した情報(bに掲げるものを除く。)
    b 外国の政府又は国際機関(以下「外国の政府等」という。)から提供された情報(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    c a又はbを分析して得られた情報
    ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
     ロaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力(イa(b)に掲げるものを除く。)
    ニ 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究
    a 防衛力の整備のために行う国内外の諸情勢に関する見積り又はこれに対する我が国の防衛若しくは防衛力の整備に関する方針
    b 防衛力の整備のために行う防衛力の能力の見積り又はこれに基づく研究
    c 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究であってアメリカ合衆国との防衛協力に関するもの
    ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。チ及びリにおいて同じ。)の種類又は数量
     武力攻撃事態その他の緊急事態への自衛隊の対処に際して自衛隊の部隊が装備する武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量のうち当該部隊が当該事態に対処する能力を推察できるもの
    ヘ 防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
     自衛隊の部隊の間での通信に使用する通信網の構成又は通信の方法(外国の政府等から提供されたものにあっては当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    ト 防衛の用に供する暗号
     我が国の政府が用いるために作成された暗号(外国の政府等から提供されたものにあっては当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。また、民生用のものを除く。)
    チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
    a 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法(bに掲げるものを除く。)
    b 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法のうち外国の政府等から提供されたもの(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
    a 自衛隊の潜水艦、航空機、センサー、電子戦機器、誘導武器、情報収集機器又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法(bに掲げるものを除く。)
    b 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法のうち外国の政府等から提供されたもの(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)
     防衛の用に供する施設の構造その他の設計上の情報、施設の能力に関する情報又は内部の用途(外国の政府等から提供されたものにあっては、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    【別表第2号(外交に関する事項)】
    イ 外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
    a 外国の政府等との交渉又は協力の方針又は内容のうち、以下に掲げる事項に関するもの(bに掲げるものを除く。)
    (a) 国民の生命及び身体の保護
    (b) 領域の保全
    (c) 海洋、上空等における権益の確保
    (d) 国際社会の平和と安全の確保(我が国及び国民の安全に重大な影響を与えるものに限る。また、(a)から(c)までに掲げるものを除く。)
    b 外国の政府等との協力の方針又は内容のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
    ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第1号イ若しくはニ、第3号イ又は第4号イに掲げるものを除く。)
    a 我が国が実施する以下の措置の方針(bに掲げるものを除く。)
    (a) 外国人の本邦への入国の禁止若しくは制限又は邦人の外国への渡航の自粛の要請
    (b) 貨物の輸出若しくは輸入の禁止又は制限
    (c) 資産の移転の禁止又は制限
    (d) 航空機の乗り入れ若しくは船舶の入港の禁止又は制限
    (e) (b)の貨物を積載した船舶の検査
    (f) 外国の政府等に対して我が国が講ずる外交上の措置(我が国及び国民の安全に重大な影響を与えるものに限る。また、(a)から(e)までに掲げるものを除く。)
    b 領域の保全のために我が国の政府が講ずる措置又はその方針
    ハ 安全保障に関し収集した国民の生命及び身体の保護、領域の保全若しくは国際社会の平和と安全に関する重要な情報又は条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報(第1号ロ、第3号ロ又は第4号ロに掲げるものを除く。)
    a 電波情報、画像情報その他情報収集手段を用いて収集した情報(bに掲げるものを除く。)
    b 外国の政府等から提供された情報(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    c a又はbを分析して得られた情報
    ニ ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
     ハaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力
    ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
     我が国の政府が用いるために作成された暗号(外国の政府等から提供されたものにあっては当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。また、民生用のものを除く。)
    【別表第3号(特定有害活動の防止に関する事項)】
    イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
    a 特定有害活動の防止のための措置又はこれに関する計画若しくは研究のうち、以下に掲げる事項に関するもの(bに掲げるものを除く。)
    (a) 特定秘密保護法第12 条第2項第1号に規定する核兵器、化学製剤、細菌製剤その他の物を輸出し、又は輸入するための活動の防止
    (b) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
    (c) 重要施設、要人等に対する警戒警備
    (d) サイバー攻撃の防止
    b 特定有害活動の防止のために外国の政府等と協力して実施する措置又はこれに関する計画若しくは研究のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
    ロ 特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
    a 電波情報、画像情報その他情報収集手段を用いて収集した情報(bに掲げるものを除く。)
    b 外国の政府等から提供された情報(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    c a又はbを分析して得られた情報
    ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
     ロaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力
    ニ 特定有害活動の防止の用に供する暗号
     我が国の政府が用いるために作成された暗号(外国の政府等から提供されたものにあっては、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。また、民生用のものを除く。)
    【別表第4号(テロリズムの防止に関する事項)】
    イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
    a テロリズムの防止のための措置又はこれに関する計画若しくは研究のうち、以下に掲げる事項に関するもの(bに掲げるものを除く。)
    (a) 緊急事態への対処に係る部隊の戦術
    (b) 重要施設、要人等に対する警戒警備
    (c) サイバー攻撃の防止
    b テロリズムの防止のために外国の政府等と協力して実施する措置又はこれに関する計画若しくは研究のうち、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるもの
    ロ テロリズムの防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
    a 電波情報、画像情報その他情報収集手段を用いて収集した情報(bに掲げるものを除く。)
    b 外国の政府等から提供された情報(当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。)
    c a又はbを分析して得られた情報
    ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
     ロaからcまでに掲げる事項に関する情報の収集若しくは分析の対象、計画、方法、情報源、実施状況又は能力
    ニ テロリズムの防止の用に供する暗号
     我が国の政府が用いるために作成された暗号(外国の政府等から提供されたものにあっては、当該外国の政府等において特定秘密保護法の規定により行政機関が特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置が講じられるものに限る。また、民生用のものを除く。)
    (2) 非公知性
     非公知性の判断は、現に不特定多数の人に知られていないか否かにより行うものとする。当該情報と同一性を有する情報が報道機関、外国の政府その他の者により公表されていると認定する場合には、たとえ我が国の政府により公表されていなくても、本要件を満たさない。なお、実際の判断に当たっては、当該情報の内容に応じ、これを知る必要がある者、実際にこれを知っている者、当該時点までの当該情報の管理の状態等の要素を勘案して個別具体的に行うものとする。
    (3) 特段の秘匿の必要性
     特段の秘匿の必要性の判断は、当該情報の漏えいにより、
    ・ 安全保障のために我が国が実施する施策、取組等に関し、これらの計画、方針、措置その他の手の内やこれらのための我が国の能力が露見し、対抗措置が講じられ、我が国に対する攻撃が容易となったり、外国の政府等との交渉が困難となったりすることとなる
    ・ 外国の政府その他の者との信頼関係や我が国の秘密保護に関する信用が著しく損なわれ、今後の情報収集活動、当該外国の政府等との安全保障協力等が滞るなど我が国の安全保障に著しい支障を与える事態が生じるおそれがあるか否かにより行うものとする。
    (4) 特に遵守すべき事項
     特定秘密を指定するに当たって、行政機関の長は、以下の点を遵守しなければならない。
    ア 3つの要件の該当性の判断は、厳格に行い、特定秘密として保護すべき情報を漏れなく指定するとともに、当該情報以外の情報を指定する情報に含めないようにすること。
    イ 公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の事実を指定し、又はその隠蔽を目的として、指定してはならないこと。
    ウ 国民に対する説明責任を怠ることのないよう、指定する情報の範囲が明確になるよう努めること。
    2 実施体制
     行政機関の長は、施行令第12条第1項第1号の特定秘密の保護に関する業務を管理する者として、行政機関の長以外の当該行政機関の職員のうちから、我が国の安全保障に関する事務のうち特定秘密保護法別表に掲げる事項に係るものを所掌する国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第7条の官房、局、部若しくは委員会の事務局若しくは事務総局の長、同法第8条の2の施設等機関の長、同法第8条の3の特別の機関の長、同法第9条の地方支分部局の長又はこれらに準ずる者を特定秘密管理者に指名し、特定秘密の保護に関する業務を管理するために必要な以下に掲げる措置を講じさせるものとする。
    (1) 施行令第4条、第7条、第8条第1項第3号、第9条第2号及び第11条第1項第3号並びに3(5)の規定による特定秘密指定管理簿への記載又は記録
    (2) 特定秘密保護法第3条第2項第1号の規定による特定秘密の表示
    (3) 特定秘密保護法第3条第2項第2号の規定による通知
    (4) 3(6)の規定による周知
    (5) 特定秘密保護法第3条第3項の規定による同条第2項第1号に掲げる措置
    (6) 施行令第8条第1項第1号及び第2号の規定による措置並びにⅢ1(2)アの規定による周知等
    (7) 施行令第9条第1号の規定による措置及びⅢ1(3)の規定による周知
    (8) Ⅲ2(1)の規定による書面又は電磁的記録への記載又は記録
    (9) 施行令第11条第1項第1号及び第2号の規定による措置並びにⅢ2(2)の規定による周知等
    (10) 施行令第12条第2項の規定による措置
    (11) 特定秘密保護法第5条第2項及び第4項の規定による通知
    (12) (1)から(11)までに掲げるもののほか、特定秘密の保護に関する業務を管理するために必要な措置
    3 指定手続
    (1) 行政機関又は都道府県警察の職員は、特定秘密に指定すべきと考えられる情報を知ったときには、直ちに当該情報が特定秘密に指定されるよう関係職員に通報するなどの措置を講ずるものとする。
    (2) 行政機関の長は、指定する際には、書面又は電磁的記録により、当該指定に係る情報を他の情報と区別することができるように記述するとともに、当該情報の指定の理由(以下「指定の理由」という。)を記すものとする。この場合において、当該指定に係る情報の記述(以下「対象情報の記述」という。)は、これを特定秘密として取り扱うことを要しないように記さなければならない。また、指定の理由の中には、当該情報が指定の要件を満たしていると判断する理由を明記することとする。
    (3) 対象情報の記述は、必要に応じ、「(○○を含む。)」、「(○○を除く。)」と記すこと等により、当該指定に係る情報の範囲が明確になるようにするものとする。また、毎年度作成する計画や継続的に収集する情報など、行政機関が当該指定に係る情報を異なる時期に複数回保有することが想定される場合には、指定の有効期間を定める趣旨に鑑み、対象情報の記述及び施行令第4条第3号の特定秘密の概要は、例えば「平成○○年度○○計画」、「情報収集衛星により平成○○年中に入手した衛星画像情報」、「平成○○年中の○○国との間の○○に関する交渉の内容」と期間を区切るなどして、適切に管理できるよう記すものとする。
    (4) 特定秘密に指定しようとする情報が、災害時の住民の避難等国民の生命及び身体を保護する観点からの公表の必要性、外国の政府等との交渉の終了その他の一定の条件が生じた場合に指定を解除すべき情報である場合には、当該条件を指定の理由の中で明らかにするものとする。
    (5) 特定秘密指定管理簿には、個々の特定秘密について、施行令第4条第1号から第5号までに掲げる事項、指定の整理番号及び当該指定に係る特定秘密の保護に関する業務を管理する特定秘密管理者の官職を一覧できるように記載し、又は記録するものとする。同条第3号の特定秘密の概要については、特定秘密として取り扱うことを要しないよう要約したものを記述するものとする。なお、記載事項に変更があったときは、遅滞なく必要な変更を加えなければならない。
    (6) 特定秘密管理者は、指定がされたときは、行政機関の長の命を受けて、特定秘密保護法第3条第2項第1号又は第2号に規定する措置を講ずるほか、当該指定に係る施行令第4条第2号及び第3号に掲げる事項(同条第2号に掲げる事項にあっては、指定の有効期間が満了する年月日に限る。)を当該行政機関において当該指定に係る特定秘密の取扱いの業務に従事する職員(当該指定について特定秘密保護法第3条第2項第2号の通知を受けた者を除く。)に周知するものとする。
    4 指定の有効期間の設定
    (1) 行政機関の長は、特定秘密保護法第4条第1項に基づく指定の有効期間として、特定秘密に指定しようとする情報に係る諸情勢が変化すると考えられる期間を勘案し、指定の理由を見直すに当たって適切であると考えられる最も短い期間を定めるものとする。例えば、
    ・ 定期的に策定される計画の策定に必要な資料にあっては、当該計画の次の計画が策定されるまでの間(毎年策定する計画の場合には2年等)
    ・ 情報通信技術の動向に密接に関係する情報にあっては、一般に当該技術の進展に応じた年数(3年等)
    ・ 外国の政府等の政策に密接に関係する要人の動向に関する情報にあっては、当該国の指導者の任期(4年等)
    と定めることが考えられるが、行政機関の長は、指定の有効期間の基準を定めることが可能な情報についてはこれを定めるなどにより、統一的な運用を図るものとする。
    (2) 行政機関の長は、現に行われている外国の政府等との交渉の方針など、指定の有効期間を年数により設定することが困難である場合は、当該指定の有効期間を5年とした上で、指定を解除する条件を指定の理由の中で明らかにするよう努めるものとする。
    5 指定に関する関係行政機関の協力
     複数の行政機関が保有する文書、図画、電磁的記録又は物件に記録又は化体された情報を、そのうちの一つ又は複数の行政機関の長が特定秘密として指定する場合には、関係行政機関が協議の上、それぞれの行政機関の長が特定秘密に指定するなどにより、当該特定秘密の保護を図るものとする。
    6 指定した特定秘密を適切に保護するための規程
    (1) 施行令第12条第1項に規定する規程(以下「規程」という。)には、同条各号に掲げる措置及び特定秘密の保護に関する業務の実施体制の構築その他特定秘密を適切に保護するために必要な事項を定めるものとする。
    (2) 規程には、施行令第12条第1項第2号の職員に対する特定秘密の保護に関する教育について、当該規程が定められた行政機関に属する特定秘密保護法第11条各号に規定する者を含めて実施することその他必要な事項を定めるものとする。
    (3) 規程には、緊急の事態における施行令第12条第1項第10号の廃棄について、危機管理及び公文書の管理に万全を期するため、次に掲げる事項その他必要な事項を定めるものとする。
    ・ 廃棄をする場合には、あらかじめ行政機関の長の承認を得ること。ただし、その手段がない場合又はそのいとまがない場合には、廃棄後、速やかに行政機関の長に報告すること。
    ・ 廃棄をした場合には、廃棄をした特定秘密文書等の概要、同号の要件に該当すると認めた理由及び廃棄に用いた方法を記載した書面を作成し、行政機関の長に報告すること。
    ・ 上記の報告を受けた行政機関の長は、当該廃棄をした旨を内閣保全監視委員会及び内閣府独立公文書管理監に報告すること。
    (4) 行政機関の長は、規程を定めようとするときは、あらかじめ、その案を内閣総理大臣に通知するものとする。
    Ⅲ 特定秘密の指定の有効期間の満了、延長、解除等
    1 指定の有効期間の満了及び延長
    (1) 指定時又は延長時に定めた有効期間が満了する場合
     行政機関の長は、指定の有効期間を延長するときには、指定の理由を点検する。時の経過に伴い指定の理由に係る特段の秘匿の必要性を巡る状況が変化している中、更に当該指定の有効期間を延長するときは、書面又は電磁的記録により、その判断の理由を明らかにしておくものとする。特に、以下のアからオまでに掲げる事項に関する特定秘密(外国の政府等から提供されたものを除く。)について、当該アからオまでに掲げるときを経過した後、当該指定の有効期間を延長するときには、慎重に判断するものとする。
    ア 見積り又は計画のうち、対象期間が定められているもの 当該対象期間が満了したとき
    イ 情報収集活動の方法又は能力 これらのものを活用しなくなったとき
    ウ 暗号 当該暗号を使用しなくなったとき
    エ 防衛の用に供する物、通信網若しくは通信の方法又は施設 これらのものを使用しなくなったとき
    オ 外国の政府等との交渉が困難となるおそれのある情報 当該交渉が終了したとき
    (2) 指定の有効期間の満了
    ア 有効期間の満了の周知等
     特定秘密管理者は、指定の有効期間が満了したときは、行政機関の長の命を受けて、施行令第8条第1項の規定による措置を講ずるほか、当該指定の有効期間が満了した旨を当該行政機関において当該指定に係る情報の取扱いの業務に従事する職員(当該指定の有効期間の満了について施行令第8条第1項第2号の通知を受けた者を除く。)に周知するとともに、当該指定に係る情報の取扱いの業務に従事していた者が、その取り扱っていた特定秘密の指定の有効期間が満了したか否かを確認することができるようにするものとする。
    イ 特定秘密表示の抹消
     施行令第8条第1項第1号の規定による特定秘密表示の抹消は、特定秘密表示に、赤色の二重線を付すことその他これに準ずる方法によりするものとする。
    ウ 指定有効期間満了表示
     施行令第8条第1項第1号の規定による指定有効期間満了表示は、特定秘密表示の傍らの見やすい箇所にするものとする。
    (3) 有効期間の延長の周知等
     特定秘密管理者は、指定の有効期間が延長されたときは、行政機関の長の命を受けて、施行令第9条の規定による措置を講ずるほか、当該指定の有効期間を延長した旨及び延長後の当該指定の有効期間が満了する年月日を当該行政機関において当該指定に係る特定秘密の取扱いの業務に従事する職員(当該指定の有効期間の延長について施行令第9条第1号の通知を受けた者を除く。)に周知するものとする。
    (4) 通じて30年を超えて延長する場合
     特定秘密保護法第4条第4項の規定により通じて30年を超えて指定の有効期間を延長することについて、内閣が承認するか否かの判断は、当該特定秘密が同項各号に掲げる事項に関する情報であることを基本とし、特に慎重に行うものとする。
    2 指定の解除
    (1) 指定の理由の点検等
     行政機関の長は、その指定に係る特定秘密の取扱いの業務に従事する当該行政機関の職員に、当該指定の理由を点検させ、その実施年月日を書面又は電磁的記録に記載又は記録させるとともに、指定の要件を満たしていないと認めたときには、速やかに指定を解除するものとする。
    (2) 解除の周知等
     特定秘密管理者は、指定が解除されたときには、行政機関の長の命を受けて、施行令第11条第1項の規定による措置を講ずるほか、当該指定を解除した旨及びその年月日を当該行政機関において当該指定に係る情報の取扱いの業務に従事する職員(当該指定の解除について施行令第11条第1項第2号の通知を受けた者を除く。)に周知するとともに、当該指定に係る情報の取扱いの業務に従事していた者が、その取り扱っていた特定秘密の指定が解除されたか否かを確認することができるようにするものとする。
    (3) 特定秘密表示の抹消
     施行令第11条第1項第1号の規定による特定秘密表示の抹消は、1(2)イの要領によりするものとする。
    (4) 指定解除表示
     施行令第11条第1項第1号の規定による指定解除表示は、特定秘密表示の傍らの見やすい箇所にするものとする。
    3 指定が解除され、又は指定の有効期間が満了した当該指定に係る情報を記録する行政文書で保存期間が満了したものの取扱い
    (1) 指定の有効期間が通じて30年を超える特定秘密
     行政機関の長は、指定の有効期間が通じて30年を超える特定秘密に係る情報であって、その指定を解除し、又は指定の有効期間が満了したものを記録する行政文書のうち、保存期間が満了したものは、公文書管理法第8条第1項の規定にかかわらず、歴史公文書等として国立公文書館等に移管するものとする。
    (2) 指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密
    ア 行政機関の長は、通じて30年を超えて指定の有効期間を延長することについて内閣の承認が得られなかったときは、特定秘密保護法第4条第6項の規定により、当該指定に係る情報を記録する行政文書の保存期間の満了とともに、これを国立公文書館等に移管する。
    イ 行政機関の長は、指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密に係る情報であって、その指定を解除し、又は指定の有効期間が満了したものを記録する行政文書のうち、保存期間が満了したものは、公文書管理法第8条に基づき、歴史公文書等については国立公文書館等に移管し、又は、歴史公文書等に該当しないもの(例えば、正本・原本以外の写しの文書、断片情報を記録した文書)については内閣総理大臣の同意を得て廃棄する。
    ウ 行政機関の長は、イの行政文書のうち、指定の有効期間が通じて25年を超える特定秘密を記録するものについては、当該行政文書に長期間にわたり特定秘密に指定された情報が記録されていることを踏まえ、万が一にも歴史公文書等を廃棄することのないよう、当該行政文書が歴史資料として重要なものでないか否か特に慎重に判断するものとする。
    Ⅳ 適性評価の実施
    1 適性評価の実施に当たっての基本的な考え方
    (1) プライバシーの保護
     適性評価は、評価対象者やその家族等のプライバシーに関わるものであることから、そのプライバシーの保護に十分に配慮しなければならない。したがって、評価対象者の選定に当たっては、過不足なく必要な者に範囲
    を限って行うようにしなければならない。また、適合事業者の従業者は行政機関の職員と異なる立場にあること等を考慮し、適性評価の実施に当たっては、適性評価について分かりやすい説明を行い、その実施についてよく理解を得なければならない。
    (2) 調査事項以外の調査の禁止
     適性評価の調査は、特定秘密保護法第12条第2項各号に掲げる事項以外の事項について行ってはならず、例えば、評価対象者の思想、信条及び信教並びに適法な政治活動、市民活動及び労働組合の活動について調査してはならない。また、仮に調査の過程で調査事項に関係しない情報を取得した場合には、これを記録してはならない。
    (3) 適性評価の結果の目的外利用の禁止
     適性評価は、特定秘密の取扱いの業務を行った際に特定秘密を漏らすおそれがないことについての評価であり、人事評価又はその他の能力の実証を行うものではなく、人事評価のために適性評価の結果を利用等してはならない。
    (4) 基本的人権の尊重等
     適性評価に関わる者は、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定する憲法第14条を遵守するとともに、基本的人権を不当に侵害することのないようにしなければならない。
    2 実施体制
    (1) 適性評価実施責任者
     行政機関の長は、適性評価を実施するため、官房長、局長又はこれらに準ずる者を適性評価実施責任者に指名し、適性評価の実施に関する事務を総括させる。
    (2) 適性評価実施担当者
     適性評価実施責任者は、適性評価を実施するに当たって、適性評価実施担当者を指名し、適性評価の実施に必要な事務を行わせる。
    (3) 関与の制限
     行政機関の長並びに適性評価実施責任者及び適性評価実施担当者以外の者は、適性評価実施責任者の上司その他の当該行政機関の長が指名する者を除き、適性評価に関する事務に関与することができない。ただし、特定秘密保護法第12条第4項の規定による質問に回答し若しくは同項の規定による照会に対し必要な事項を報告する場合、若しくは適性評価の実施に関する事務に必要な連絡を取り次ぐ場合、又は苦情の申出に対応するため必要な場合は、この限りでない。
    (4) 留意事項
     適合事業者の従業者の適性評価を実施するに当たり、当該適合事業者に対し、評価対象者との間の書類の受渡しその他の連絡の取次ぎを依頼することは差し支えないが、適合事業者が取次ぎを行う際には、評価対象者が記載した書類の内容等適合事業者に通知することとされていない情報が当該適合事業者の知るところとならないようにしなければならない。
    3 評価対象者の選定
    (1) 名簿の提出
    ア 特定秘密管理者は、当該行政機関の職員として特定秘密の取扱いの業務を行わせるために適性評価を実施する必要があると認めるときは、その者の氏名、生年月日、所属する部署、役職名、特定秘密保護法第12条第1項各号のうち該当する号、同項第3号に該当する場合には該当すると認める理由その他評価対象者の選定に当たって参考となる事項を記載し、又は記録した名簿を作成し、これを適性評価実施責任者に提出する。
    イ 特定秘密保護法第5条第4項又は第8条第1項に規定する契約に基づき特定秘密を保有し又は提供される適合事業者は、その従業者として特定秘密の取扱いの業務を行わせるために適性評価を実施する必要があると認めるときは、その者の氏名、生年月日、所属する部署、役職名、派遣労働者であるときはその旨及び予定している業務内容、特定秘密保護法第12条第1項各号のうち該当する号その他評価対象者の選定に当たって参考となる事項を記載し、又は記録した名簿を作成し、これを当該特定秘密に係る特定秘密管理者に提出する。
     なお、派遣労働者を名簿に登載する場合には、適合事業者は、その旨を当該派遣労働者を雇用する事業主に対して通知するものとする。
    ウ イにより名簿の提出を受けた特定秘密管理者は、名簿に登載された者のうち特定秘密の取扱いの業務を行わせるために適性評価を実施する必要があると認める者について、その氏名、生年月日、所属する部署、役職名、派遣労働者であるときはその旨及び予定している業務内容、特定秘密保護法第12条第1項各号のうち該当する号、同項第3号に該当する場合には該当すると認める理由その他評価対象者の選定に当たって参考となる事項を記載し、又は記録した名簿を作成し、これを適性評価実施責任者に提出する。この場合において、当該特定秘密管理者は、名簿に登載しない者があるときは、その旨を適合事業者に通知するとともに、当該通知に係る従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該従業者を雇用する事業主に通知するよう当該適合事業者に求めるものとする。
    エ ア、イ又はウの名簿に記載し、又は記録した事項に変更があるときは、当該名簿を提出した者は速やかにこれを当該名簿の提出を受けた者に通知する。
    (2) 行政機関の長の承認
    ア (1)ア又はウにより名簿の提出を受けた適性評価実施責任者は、名簿に登載された者について、特定秘密保護法第12条第1項各号のいずれかに該当するものとして適性評価を実施する必要があると認めるときは、適
    性評価を実施することについて行政機関の長の承認を得なければならない。
    イ 適性評価実施責任者は、アの承認を得たか否かを名簿を提出した特定秘密管理者に通知する。この場合において、特定秘密管理者は、(1)ウの名簿に登載された者に係る通知があるときは、当該通知の内容を適合事業者に通知するとともに、当該通知に係る従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該従業者を雇用する事業主に通知するよう当該適合事業者に求めるものとする。
    (3) 留意事項
    ア 適合事業者の従業者についての適性評価は、当該適合事業者と行政機関との契約後など当該従業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施するものとする。
    イ 特定秘密保護法第12条第1項第1号に規定する「当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第1項の規定による通知をした日から5年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるもの」として適性評価を実施する必要がない者は、以下に掲げる者であって、当該行政機関の長が直近に実施した適性評価に係る結果の通知から5年を経過していないものとする。ただし、特定秘密保護法第12条第1項第3号に掲げる者を除く。
    (ア) 当該行政機関において当該通知の日から勤務し続けている者(当該行政機関における勤務には、併任による当該行政機関以外における勤務及び当該行政機関が警察庁である場合の都道府県警察における警察本部長としての勤務を含む。)であって、特定秘密の取扱いの業務を行わないこととなった後に再び特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった者など、当該行政機関の長が適性評価を要しないと認めるもの
    (イ) 当該行政機関との契約に基づき保有し又は提供された特定秘密の取扱いの業務を行う適合事業者において当該通知の日から勤務し続けている者(当該適合事業者における勤務には、併任による当該適合事業者以外における勤務を含む。)であって、特定秘密の取扱いの業務を行わないこととなった後に再び特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった者など、当該行政機関の長が適性評価を要しないと認めるもの
    4 適性評価の実施についての告知と同意
    (1) 評価対象者に対する告知
     特定秘密保護法第12条第3項の告知は、評価対象者に別添1の「適性評価の実施に当たってのお知らせ(告知書)」を交付することにより行うものとする。
    (2) 同意の手続
    ア 特定秘密保護法第12条第3項の同意は、評価対象者が必要事項を記載した別添2-1の「適性評価の実施についての同意書」及び別添2-2の「公務所又は公私の団体への照会等についての同意書」(以下これらを「同意書」という。)の提出を受けることにより得るものとする。
    イ 適性評価実施担当者は、同意書の提出の後に適性評価のための調査を開始するものとする。ただし、評価対象者の便宜も考慮して、5(1)アの「質問票(適性評価)」及びイの資料については、同意書と同時に提出を受けて差し支えない。
    ウ 特定秘密保護法第13条第4項の理由の通知を希望しない旨の申出は、評価対象者が別添2-1の「適性評価の実施についての同意書」に必要事項を記載することにより行うものとする。なお、理由の通知についての希望は、適性評価の結果の通知が行われるまでの間、氏名、生年月日、所属する部署、役職名及び連絡先並びに変更を希望する旨を記載し、自署又は記名押印した書面を適性評価実施担当者に提出することにより変更することができるものとする。
    (3) 不同意の場合の措置
    ア 適性評価実施担当者は、評価対象者が別添3の「適性評価の実施についての不同意書」を提出するなど、同意をしなかったときは、その旨を適性評価実施責任者を経て行政機関の長に報告する。
    イ 適性評価実施責任者は、アの報告を受けたときは、当該評価対象者が登載された名簿を提出した特定秘密管理者に対し、当該評価対象者の同意を得られなかったことにより適性評価を実施しなかった旨を通知する。
    ウ 特定秘密管理者は、適合事業者の従業者についてイの通知を受けたときは、当該適合事業者に対し、当該従業者の同意を得られなかったことにより適性評価を実施しなかった旨を別添9-2の「適性評価結果等通
    知書(適合事業者用)」により通知する。
    エ ウの通知を受けた適合事業者は、当該従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該従業者を雇用する事業主に通知する。
    (4) 同意の取下げ
    ア 特定秘密保護法第12条第3項の同意は、同意書を提出した後から適性評価の結果が通知されるまでの間、別添4の「適性評価の実施についての同意の取下書」(以下「同意の取下書」という。)の提出により取り下げることができるものとする。
    イ アにより同意の取下書の提出があったときは、適性評価実施担当者は、その旨を適性評価実施責任者を経て行政機関の長に報告する。
    ウ 適性評価実施責任者は、イの報告を受けたときは、当該評価対象者が登載された名簿を提出した特定秘密管理者に対し、当該評価対象者の同意が取り下げられたことにより適性評価の手続を中止した旨を通知する。
    エ 特定秘密管理者は、適合事業者の従業者についてウの通知を受けたときは、当該適合事業者に対し、当該従業者の同意が取り下げられたことにより適性評価の手続を中止した旨を別添9-2の「適性評価結果等通知書(適合事業者用)」により通知するとともに、当該通知に係る従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該従業者を雇用する事業主に通知するよう当該適合事業者に求めるものとする。
    5 調査の実施
    (1) 評価対象者による質問票の記載と提出
    ア 適性評価実施担当者は、適性評価の実施に同意した評価対象者に対し、必要事項を記載した別添5の「質問票(適性評価)」(以下「質問票」という。)の提出を求めるものとする。
    イ 適性評価実施担当者は、評価対象者に質問票の提出を求める際に、調査のため必要な範囲内において、旅券の写し等資料の提出を求めることができる。
    ウ 適性評価実施担当者は、質問票が具体的に、漏れなくかつ正確に記載されるよう、また、適性評価の結果が通知されるまでの間に質問票に記載した事項に変更が生じたときには速やかに申し出るよう、評価対象者に求めるものとする。
    (2) 上司等に対する質問等
    ア 適性評価実施担当者は、評価対象者の上司、人事担当課の職員等の中から評価対象者の職務の遂行状況等についてよく知ると認める者を選定し、この者に対し、別添6の「調査票(適性評価)」(以下「調査票」という。)の提出を求めるものとする。この場合において、当該上司等は、評価対象者への質問とは別に当該調査が行われる趣旨を踏まえ、調査票に記載すべき内容について評価対象者に確認してはならない。
    イ アのほか、適性評価実施担当者は、質問票や調査票に記載された事項について疑問点が生じ、これを確認するなどの必要があるときは、評価対象者の上司、同僚その他の知人(以下「関係者」という。)に対し、評価対象者に関する質問を行うことができる。
    ウ 関係者に質問を行うに当たっては、適性評価の趣旨及び当該関係者への質問が評価対象者の適性評価のために行われるものである旨を説明し、当該関係者への質問が、当該関係者についての調査であるとの誤解を与えることのないようにしなければならない。
    エ 適性評価実施担当者は、関係者から聴取したことにより得られた情報が評価対象者に示される可能性がある旨を当該関係者に説明する。
    (3) 人事管理情報等による確認
     適性評価実施担当者は、質問票に記載された事項等について疑問点が生じ、これを確認するなどの必要があるときは、当該行政機関内の部署、適合事業者、過去に評価対象者を雇用していた事業者等に対し、評価対象者に関する情報(以下「人事管理情報等」という。)の報告を求めることができる。
    (4) 評価対象者に対する面接等
     適性評価実施担当者は、質問票に記載された事項等について疑問点が生じ、これを確認するなどの必要があるときは、評価対象者本人に対する面接を実施する。この場合において、評価対象者本人であることを確認するため必要があるときは、身分証明書の提示を求めることができる。
     また、評価対象者に質問した事項を確認するなどの必要があるときは、評価対象者に資料の提出を求めることができる。
    (5) 公務所又は公私の団体に対する照会
    ア 適性評価実施担当者は、評価対象者について保有し、又は調査により収集した情報のみによっては質問票に記載された事項等について疑問点が解消されず、これを確認するなどの必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な報告を求めるものとする。特に、行政機関以外への照会については、調査のための補完的な措置として、必要最小限となるようにしなければならない。
    イ 照会に当たっては、別添7の「適性評価のための照会書」(以下「照会書」という。)に公印を押印し、これを照会先に交付することにより行うものとする。ただし、照会先において照会書の交付を要しないとした場合は、この限りでない。
    ウ 照会先の求めがあったときは、評価対象者が提出した別添2-2の「公務所又は公私の団体への照会等についての同意書」の写しを提示し、又は交付するものとする。
    (6) 留意事項
    ア 調査は、質問票及び調査票に記載された事項について、必要に応じ、人事管理情報等と照合するとともに、評価対象者に面接を実施するなどして、疑問点、矛盾点その他の事実を明らかにすべき事項がないかどうか確認することを基本とし、これにより疑問点が解消されない場合等に、公務所等への照会を行うものとする。ただし、調査を適切に実施するため必要があるときは、これらの手続の順序を入れ替えて実施することを妨げない。
    イ 適性評価実施担当者は、適性評価のための調査に従事する者であることを明らかにするため、別添8の「適性評価実施担当者証」を携帯し、評価対象者、評価対象者の関係者、照会先の担当者等に対し、これを提示するものとする。
    ウ 行政機関の長は、以下に掲げるときは、直ちに適性評価の手続を中止する。この場合において、適性評価実施担当者は、評価対象者に対し、適性評価の手続を中止した旨を別添9-1の「適性評価結果等通知書(本人用)」により通知するものとする。
    (ア) 評価対象者から4(4)アにより適性評価の実施についての同意の取下げがあったとき
    (イ) 評価対象者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれなくなったとき
    6 評価
    (1) 評価の基本的な考え方
     行政機関の長は、5の調査の結果を基に、評価対象者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないかどうか、以下の視点から、評価対象者の個別具体的な事情を十分に考慮して、総合的に判断するものとする。この場合において、調査を尽くしてもなお、評価対象者が特定秘密を漏らすおそれがないと認めることについて疑念が残る場合には、特定秘密の漏えいを防止し、もって我が国及び国民の安全を確保する特定
    秘密保護法の目的に鑑み、特定秘密を漏らすおそれがないと認められないと判断するものとする。
    ア 情報を自ら漏らすような活動に関わることがないか
    イ 情報を漏らすよう働き掛けを受けた場合に、これに応じるおそれが高い状態にないか
    ウ 情報を適正に管理することができるか
    エ 規範を遵守して行動することができるか
    オ 自己を律して行動することができるか
    カ 職務の遂行に必要な注意力を有しているか
    キ 職務に対し、誠実に取り組むことができるか
    (2) 評価の際に考慮する要素
     行政機関の長は、評価を実施するに当たり、調査により判明した事実について、以下の要素を考慮するものとする。
    ア 特定秘密保護法第12条第2項各号に掲げる事項についての評価対象者の行動又は状態(以下「対象行動等」という。)の性質、程度及び重大性
    イ 対象行動等の背景及び理由
    ウ 対象行動等の頻度及び時期
    エ 対象行動等があったときの評価対象者の年齢
    オ 対象行動等に対する自発的な関与の程度
    カ 対象行動等がなくなり、又は再び生ずる可能性
    7 結果等の通知
    (1) 評価対象者への結果及び理由の通知
    ア 行政機関の長が評価対象者について特定秘密を漏らすおそれがないと評価したときは、適性評価実施担当者は、当該評価対象者に対し、別添9-1の「適性評価結果等通知書(本人用)」により、その結果を通知
    する。
    イ 行政機関の長が評価対象者について特定秘密を漏らすおそれがないと認められないと評価したときは、適性評価実施担当者は、当該評価対象者に対し、別添9-1の「適性評価結果等通知書(本人用)」により、その結果及び当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者が理由の通知を希望していないときは、理由を通知しないものとする。
    ウ 理由を通知する際は、その理由が本人の申告に基づく事実によるものであるときには当該事実を示すなど、具体的に説明するものとする。ただし、評価対象者以外の者の個人情報の保護を図るとともに、理由の通知によって、調査の着眼点、情報源、手法等が明らかとなり、適性評価の円滑な実施の確保を妨げることとならないようにしなければならない。
    エ 適性評価実施担当者は、アにより結果を通知する際に、評価対象者が特定秘密の取扱いの業務を行うに当たり、特定秘密の保護のための法令及び関係規程を遵守し、特定秘密の保護に努め、これを漏らさないことを誓約することを明らかにするとともに、9(1)アに掲げる事情が生じた場合に速やかに特定秘密管理者に申し出ること、評価対象者が適合事業者の従業者である場合に適合事業者が当該評価対象者について9(1)アに掲げる事情があると認めるときにこれを特定秘密管理者に報告すること等について確認することを明らかにするため、評価対象者から別添10の「特定秘密の保護に関する誓約書」(以下「誓約書」という。)を徴するものとする。
    (2) 特定秘密管理者等への結果の通知
    ア 適性評価実施責任者は、適性評価の結果を評価対象者が登載された名簿を提出した特定秘密管理者に対し、通知する。
    イ 特定秘密管理者は、適合事業者の従業者についてアの通知を受けたときは、当該適合事業者に対し、別添9-2の「適性評価結果等通知書(適合事業者用)」により、その結果を通知する。
    ウ イの通知を受けた適合事業者は、当該通知に係る従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該従業者を雇用する事業主に通知する。
    8 苦情の申出とその処理
    (1) 苦情の処理のための体制
    ア 行政機関の長は、適性評価についての苦情の申出を受け、これを誠実に処理するため、苦情受理窓口を設けるとともに、官房長、局長又はこれらに準ずる者を苦情処理責任者に指名する。
    イ 苦情の申出があったときは、苦情処理責任者は速やかに当該苦情の概要を行政機関の長に報告するとともに、苦情処理担当者を指名する。この場合において、苦情処理責任者は、苦情を申し出た者(以下「苦情申出者」という。)に係る適性評価のための調査に直接従事した職員を苦情処理担当者に指名してはならない。
    (2) 苦情の申出
     苦情の申出は、適性評価の結果の通知を受けた評価対象者が、その氏名、生年月日、所属する部署、役職名及び連絡先並びに具体的な苦情の内容を記載し、自署又は記名押印した書面を苦情受理窓口に提出することにより行うものとする。
    (3) 苦情の処理の手続
    ア 苦情処理担当者は、苦情について調査を行い、その結果及び処理の方針を苦情処理責任者に報告する。
    イ 苦情処理担当者は、必要に応じ、苦情申出者、適性評価実施担当者その他の必要と認める者に質問し、又は苦情申出者若しくは適性評価実施担当者に資料の提出を求めることができる。
    ウ 苦情申出者が(2)により申し出た苦情について意見を述べ、又は資料を提出することを希望したときは、苦情処理担当者は、その機会を与えなければならない。
    エ 苦情処理責任者は、調査の結果及び処理の方針を行政機関の長に報告し、その承認を得なければならない。
    (4) 苦情処理結果の通知
    ア 苦情処理担当者は、(3)エに掲げる行政機関の長の承認を得た後、苦情申出者に対し、別添11の「苦情処理結果通知書」により、苦情についての処理の結果を通知する。
    イ 苦情の処理の結果を通知する際は、単に結論を示すだけでなく、判断の根拠等を具体的に説明するものとする。ただし、苦情申出者以外の者の個人情報の保護を図るとともに、結果の通知によって、適性評価の調査の着眼点、情報源、手法等が明らかとなり、適性評価の円滑な実施の確保を妨げることとならないようにしなければならない。
    ウ 苦情処理の結果、適性評価の手続等が法令若しくは本運用基準の規定に違反し、又は適正を欠いていると認めるときは、苦情処理責任者は適性評価実施責任者にその改善を求めるものとする。
    エ 苦情の処理の結果、改めて適性評価を行う必要があると認める場合には、苦情処理責任者はその旨を適性評価実施責任者に通知する。
    オ 適性評価実施責任者は、エの通知を受けたときは、当該通知の内容を苦情申出者が登載された名簿を提出した特定秘密管理者に通知する。この場合において、苦情申出者が適合事業者の従業者であるときは、特定秘密管理者は、当該適合事業者に対し、当該通知の内容を通知するとともに、苦情申出者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該派遣労働者を雇用する事業主に通知するよう当該適合事業者に求めるものとする。
    カ エの場合、適性評価実施責任者は、改めて適性評価を実施する。この場合においては、5(1)ア及び(2)アの規定にかかわらず、質問票及び調査票の提出を求めないことができる。
    (5) 留意事項等
    ア 行政機関の長、適合事業者及び派遣労働者を雇用する事業主は、苦情申出者について、苦情の申出をしたことを理由として、解雇、減給、降格、懲戒処分、自宅待機命令、不利益な配置の変更、労働契約内容の変更の強要、昇進又は昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと、専ら雑務に従事させるなど就業環境を害することなどの不利益な取扱いをしてはならない。
    イ 特定秘密保護法第14条第1項に規定する苦情の申出は、適性評価の結果、調査方法など、評価対象者について実施された適性評価について、当該評価対象者が行うことができる。適性評価に関し質問又は照会を受けた者など評価対象者以外の者からの適性評価に関する苦情については、特定秘密保護法第14条に規定する苦情には当たらないが、苦情受理窓口においてこれを受理し、苦情処理手続に準じて、これを誠実に処理するものとする。
    9 適性評価実施後の措置
    (1) 行政機関の職員が特定秘密保護法第12条第1項第3号に該当する可能性がある場合の措置
    ア 特定秘密の取扱いの業務を行う行政機関の職員の上司等は、当該職員について以下の事情があると認めた場合には、速やかにこれを当該職員が取扱いの業務を行う特定秘密に係る特定秘密管理者に報告するものとする。
    (ア) 外国籍の者と結婚した場合その他外国との関係に大きな変化があったこと。
    (イ) 罪を犯して検挙されたこと。
    (ウ) 懲戒処分の対象となる行為をしたこと。
    (エ) 情報の取扱いに関する規則に違反したこと。
    (オ) 違法な薬物の所持、使用など薬物の違法又は不適切な取扱いを行ったこと。
    (カ) 自己の行為の是非を判別し、若しくはその判別に従って行動する能力を失わせ、又は著しく低下させる症状を呈していると疑われる状況に陥ったこと。
    (キ) 飲酒により、けんかなどの対人トラブルを引き起こしたり、業務上の支障を生じさせたりしたこと。
    (ク) 裁判所から給与の差押命令が送達されるなど経済的な問題を抱えていると疑われる状況に陥ったこと。
    (ケ) 特定秘密を漏らすおそれがないと認めることについて疑義が生じたこと。
    イ アの報告又は誓約書に基づき職員からアに掲げる事情がある旨の申出を受けた特定秘密管理者は、当該報告又は申出に係る事情が、特定秘密保護法第12条第1項第3号に規定する「引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情」に該当すると認めるときは、当該職員が特定秘密の取扱いの業務を行うことのないよう必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該職員に特定秘密の取扱いの業務を行わせる必要があるときは、改めて当該職員についての適性評価を実施しなければならない。
    ウ アの報告又は誓約書に基づき職員からアに掲げる事情がある旨の申出を受けた特定秘密管理者は、当該報告又は申出に係る事情が、特定秘密保護法第12条第1項第3号に規定する事情に該当しないと認めるときは、その旨を当該報告又は申出をした者に通知する。
    (2) 適合事業者の従業者が特定秘密保護法第12条第1項第3号に該当する可能性がある場合の措置
    ア 行政機関の長は、以下に掲げる事項について、契約で定めるものとする。
    (ア) 特定秘密保護法第5条第4項又は第8条第1項に規定する契約に基づき特定秘密を保有し又は提供される適合事業者は、当該契約により特定秘密の取扱いの業務を行う従業者について(1)アの事情があると認めた場合には、速やかにこれを契約先の行政機関における当該特定秘密に係る特定秘密管理者に報告すること。
    (イ) 従業者が派遣労働者である場合、適合事業者は、当該従業者について(1)アの事情があると認められたときに当該従業者を雇用する事業主から当該適合事業者に報告が行われるよう必要な措置を講ずること。
    (ウ) イの通知を受けた場合に、適合事業者は、当該通知に係る従業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことのないよう必要な措置を講ずること。
    (エ) イの通知を受けた場合であって、当該通知に係る従業者が派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該派遣労働者を雇用する事業主に通知すること。
    イ ア(ア)の報告又は誓約書に基づき適合事業者の従業者から(1)アに掲げる事情がある旨の申出を受けた特定秘密管理者は、当該報告又は申出に係る事情が、特定秘密保護法第12条第1項第3号に規定する事情に該当すると認めるときは、その旨を適合事業者に通知する。
    ウ ア(ア)の報告又は誓約書に基づき適合事業者の従業者から(1)アに掲げる事情がある旨の申出を受けた特定秘密管理者は、当該報告又は申出に係る事情が、特定秘密保護法第12条第1項第3号に規定する事情に該当しないと認めるときは、その旨を当該報告又は申出をした者に通知する。
    10 適性評価に関する個人情報等の管理
    (1) 適性評価に関する文書等の管理
    ア 適性評価実施責任者は、評価対象者ごとに、その適性評価の実施に当たって作成又は取得した文書等を整理して、これを管理する。
    イ 特定秘密管理者は、適性評価実施責任者から通知された不同意、同意の取下げ及び適性評価の結果に係る文書等を整理して、これを管理する。
    ウ 苦情処理責任者は、苦情申出者ごとに、その苦情の処理に当たって作成又は取得した文書等を整理して、これを管理する。
    エ アからウの文書等は、人事評価に関する文書等とは別に管理する。
    (2) 行政機関における個人情報等の管理
    ア 適性評価に関する文書等の管理は、公文書管理法など文書管理に関する法令及び規程に基づき、適切に行う。
    イ 適性評価に関する文書等に含まれる個人情報の管理については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)及び同法第6条の規定に基づき各行政機関が定める個人情報の適切な管理のための規程による。
    ウ 適性評価実施責任者は、評価対象者に対し、特定秘密保護法第13条第1項の規定による適性評価の結果を通知した日又は評価対象者に対し、適性評価の手続を中止する旨通知した日のいずれかに属する年度の翌年度の4月1日から起算して10年が経過するまでの期間、適性評価の実施に当たって作成又は取得した文書等を保存するものとする。ただし、評価対象者から適性評価の実施についての不同意書又は同意の取下書が提出された場合の適性評価の実施に当たって作成又は取得した文書等の保存期間については、当該書面が提出された日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して3年間とする。
    エ 特定秘密管理者が取得した適性評価の結果等に係る文書等の保存期間は、当該文書等を取得した日から1年未満とする。ただし、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた旨の通知に係る文書等の保存期間については、当該文書等を取得した日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して5年間とする。
    オ 苦情処理責任者は、苦情申出者に苦情についての処理の結果を通知した日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して3年が経過するまでの期間、苦情の処理に当たって作成又は取得した文書等を保存するものとする。
    カ 保存期間を経過した適性評価に関する文書等は、関係法令及び規程に従い、廃棄等するものとする。
    (3) 適合事業者等における個人情報等の管理
     行政機関の長は、適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主が、行政機関の長又は適合事業者から通知された、評価対象者が適性評価の実施に同意をしなかった事実、同意を取り下げた事実及び評価対象者についての適性評価の結果に係る文書等について、これが適切に管理されるよう、(2)イ、エ及びカに準じて必要な措置を講ずることについて、契約で定めるものとする。
    (4) 適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限
     行政機関の長、適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、次に掲げる場合を除き、評価対象者が適性評価の実施に同意をしなかった事実、適性評価の結果その他適性評価の実施に当たって取得する個人情報を特定秘密の保護以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
    ア 国家公務員法(昭和22年法律第120号)第100条第4項、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項などの法令に基づく場合
    イ 特定秘密保護法第16条第1項ただし書又は施行令第22条に規定する事由等のいずれかに該当する疑いが生じた場合
    11 研修
     適性評価実施責任者は、適性評価実施担当者に対し、適性評価の適正な実施を確保するために必要な知識及び技能を習得させ、並びにこれを向上させるために必要な研修を定期的に行うものとする。
     なお、必要な場合に、当該研修を随時に実施することを妨げるものではない。
    12 適性評価の実施に関する関係行政機関の協力
     関係行政機関の長は、評価対象者についての照会があった場合に必要な事項の報告を行い、また、出向又は併任により他の行政機関において勤務することとなった職員の適性評価の実施に当たって必要な情報提供を行うなど、適性評価の実施のために相互に協力するものとする。
     なお、行政機関の長は、他の行政機関の職員及び他の行政機関が契約する適合事業者の従業者についての適性評価の調査を代行してはならない。
    13 警察本部長による適性評価
     警察本部長による適性評価については、本運用基準に準じて実施するものとする。
    14 特定秘密保護法の公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日の前日までの特定秘密の取扱いに関する経過措置
     行政機関の長は、特定秘密保護法の公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日の前日までの間において特定秘密の取扱いの業務を行う者について、特定秘密に指定された情報の取扱いの業務を特定秘密保護法の施行前に行っていた者又は適性評価により特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者のいずれかに限るよう努めるものとする。
    Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等
    1 内閣官房及び内閣府の任務並びにその他の行政機関の協力
    (1) 内閣官房は、特定秘密保護法の適正な運用の確保についての自らの責任を十分に認識し、特定秘密の指定、その有効期間の設定及び延長並びに指定の解除(以下単に「特定秘密の指定及びその解除」という。)並びに適性評価の実施の適正を確保するための事務を行う。
    (2) 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための事務の公正かつ能率的な遂行を図るため、内閣に内閣保全監視委員会を設置する。内閣保全監視委員会の庶務は、内閣官房内閣情報調査室において処理し、内閣保全監視委員会の構成その他必要な事項は、別に内閣官房長官が定めるものとする。
    (3) 内閣府は、内閣官房とは別の立場から、いずれの行政機関にも偏ることなく判断することの重要性を十分に認識し、特定秘密の指定及びその解除並びに行政文書ファイル管理簿(公文書管理法第7条第1項に規定する行政文書ファイル管理簿をいう。)に記載された行政文書ファイル等(公文書管理法第5条第5項に規定する行政文書ファイル等をいう。5(1)ア(エ)及び(オ)において同じ。)のうち特定秘密である情報を記録するもの(以下「特定行政文書ファイル等」という。)の管理の適正の確保に関する事務を行う。
    (4) 行政機関は、(1)及び(3)に定める事務に関し、内閣官房及び内閣府にそれぞれ協力するものとする。
    2 内閣総理大臣による指揮監督
     内閣保全監視委員会は、内閣総理大臣が特定秘密保護法第18条第4項に基づき、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、行政各部を指揮監督するに当たり、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出及び説明を求めることができ、必要があると認めるときは是正を求めるものとする。
    3 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の検証・監察・是正
    (1) 内閣府独立公文書管理監による検証・監察・是正
    ア 内閣府独立公文書管理監(内閣府独立公文書管理監が指名する内閣府の職員を含む。以下同じ。)は、特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法及び施行令の規定並びに本運用基準ⅠからⅢまで(以下「特定秘密保護法等」という。)に従って行われているかどうか検証し、監察するものとする。
    イ 内閣府独立公文書管理監は、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出若しくは説明を求め、又は実地調査をすることができる。
    ウ 内閣府独立公文書管理監は、検証又は監察の結果、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと認めるときは、当該特定秘密の指定及びその解除をし、又は当該特定行政文書ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該指定の解除、当該特定行政文書ファイル等の適正な管理その他の是正を求めるものとする。内閣府独立公文書管理監は、是正を求めたときは、その内容を内閣保全監視委員会へ通知するものとする。
    (2) 行政機関の長による特定秘密指定管理簿の写しの提出等
    ア 行政機関の長は、(1)アに定める検証及び監察の実施に資するため、次に掲げる事務を行うものとする。
    (ア) 特定秘密を指定し、施行令第4条に基づき特定秘密指定管理簿に必要な事項を記載し若しくは記録したとき、又は、指定の有効期間を延長し、若しくは指定を解除し、施行令第9条第2号若しくは第11条第1項第3号に基づき、それぞれ特定秘密指定管理簿に必要な事項を記載し若しくは記録したときは、速やかに、内閣府独立公文書管理監に、当該指定に関する特定秘密指定管理簿の写しを提出すること。
    (イ) 特定行政文書ファイル等の管理について、毎年1回、次に掲げる事項その他の特定行政文書ファイル等の管理に資する事項を、内閣府独立公文書管理監に報告すること。
    a 特定行政文書ファイル等の名称
    b 特定行政文書ファイル等の保存場所
    c 特定行政文書ファイル等の保存期間
    d 特定行政文書ファイル等の保存期間が満了したときの措置
    (ウ) 特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと行政機関の長が認めた場合には、速やかに内閣府独立公文書管理監に報告すること。
    イ 行政機関の長は、(1)イによる求めがあったときは、特定秘密保護法第10条第1項の規定により、内閣府独立公文書管理監に特定秘密を提供するものとする。
    ウ 行政機関の長は、当該特定秘密の提供が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められないとして(1)イによる求めに応じないときは、その理由を内閣府独立公文書管理監に疎明しなければならない。
    エ 行政機関の長は、(1)ウの求めがあったときは、適切な措置を講じた上で、当該措置について内閣府独立公文書管理監に報告するものとする。
    4 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正に関する通報
    (1) 通報の処理の枠組み
     内閣府独立公文書管理監及び行政機関の長は、特定秘密の取扱いの業務を行う者若しくは行っていた者又は特定秘密保護法第4条第5項、第9条、第10条若しくは第18条第4項後段の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者(以下「取扱業務者等」という。)が、特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと思料する場合に行う通報を受け付け、処理するため、窓口(以下「通報窓口」という。)を設置し、公表するものとする。
    (2) 通報の処理
    ア 行政機関に対する通報
    (ア) 取扱業務者等は、特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと思料するときは、当該特定秘密の指定及びその解除又は当該特定行政文書ファイル等の管理に係る行政機関の通報窓口に対し、その旨の通報をすることができる。この場合において、取扱業務者等は、特定秘密指定管理簿に記述された特定秘密の概要や特定秘密が記録された文書の番号を用いるなどし、特定秘密を漏らしてはならない。
    (イ) 行政機関の長は、通報を受理した場合、調査の必要性を十分に検討し、調査を行う場合はその旨及び着手の時期を、調査を行わない場合はその旨及び理由を、当該通報を行った者(以下「通報者」という。)に対し、遅滞なく通知するものとする。ただし、適正な調査の遂行に支障がある場合はこの限りではない。
    (ウ) 行政機関の長は、調査を行う場合は、遅滞なく必要な調査を行うものとする。
    (エ) 行政機関の長は、調査の結果、特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないことが明らかになったときは、速やかに当該指定の解除、当該特定行政文書ファイル等の適正な管理その他の適切な措置を講ずるものとする。
    (オ) 行政機関の長は、調査の結果を遅滞なく通報者に対し通知するものとする。
    (カ) 行政機関の長は、通報を処理したときは、その内容を内閣府独立公文書管理監に報告するものとする。
    イ 内閣府独立公文書管理監に対する通報
    (ア) 取扱業務者等は、特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと思料するときは、内閣府独立公文書管理監の通報窓口に対し、その旨の通報をすることができる。この場合において、取扱業務者等は、特定秘密指定管理簿に記述された特定秘密の概要や特定秘密が記録された文書の番号を用いるなどし、特定秘密を漏らしてはならない。
    (イ) (ア)に定める通報は、ア(イ)において調査を行わない旨の通知又は同(オ)の通知を受けた後でなければ、行うことができない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
    a ア(ア)に定める通報をすれば不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
    b ア(ア)に定める通報をすれば当該通報に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
    c 個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合
    (ウ) 内閣府独立公文書管理監は、通報を受理した場合、遅滞なく必要な調査を行うものとする。
    (エ) 通報を受理した内閣府独立公文書管理監は、必要があると認めるときは、(イ)の通知に係る行政機関の長に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出若しくは説明を求め、又は実地調査をすることができる。
    (オ) 行政機関の長は、(エ)による求めがあったときは、特定秘密保護法第10条第1項の規定により、内閣府独立公文書管理監に特定秘密を提供するものとする。
    (カ) 行政機関の長は、当該特定秘密の提供が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められないとして(エ)による求めに応じないときは、その理由を内閣府独立公文書管理監に疎明しなければならない。
    (キ) 内閣府独立公文書管理監は、特定秘密の指定及びその解除又は特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法等に従って行われていないと認めるときは、当該特定秘密の指定及びその解除をし、又は特定行政文書ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該指定の解除、当該特定行政文書ファイル等の適正な管理その他の是正を求めるものとする。
    (ク) 行政機関の長は、(キ)の求めがあったときは、適切な措置を講じた上で、当該措置について内閣府独立公文書管理監に報告するものとする。
    (ケ) 内閣府独立公文書管理監は、調査の結果を遅滞なく通報者に対し通知するものとする。
    (3) 通報者の保護等
    ア 通報の処理に関与した職員は、通報者を特定させることとなる情報その他の通報に関する秘密を漏らしてはならず、又は知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、若しくは不当な目的に利用してはならない。
    イ 行政機関の長は、当該行政機関の職員が、通報者(通報者が適合事業者の従業者である場合にあっては、当該適合事業者を含む。ウ前段において同じ。)に対し、通報をしたことを理由として不利益な取扱いをすることのないよう適切な措置を講じなければならない。
    ウ 行政機関の長は、通報者に対し、通報をしたことを理由として懲戒処分その他不利益な取扱いを行った職員があるときは、当該不利益な取扱いを取り消し、又は是正するとともに、当該職員に対し、懲戒処分その他適切な措置を講ずるものとする。正当な理由なく、通報に関する秘密を漏らした職員及び知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した職員についても同様とする。
    エ 行政機関の長及び内閣府独立公文書管理監は、通報の処理に係る記録を作成し、適切な保存期間を定めた上で、当該記録を関係資料とともに適切な方法で管理しなければならない。
    5 特定秘密保護法第18条第2項に規定する者及び国会への報告
    (1) 内閣総理大臣への報告等
    ア 行政機関の長は、毎年1回、(ア)から(シ)までに掲げる事項を内閣保全監視委員会に、(ア)から(キ)まで及び(シ)に掲げる事項を内閣府独立公文書管理監に報告するものとする。
    (ア) 当該行政機関の長が指定をした特定秘密の件数及び過去1年に新たに指定をした特定秘密の件数(Ⅱ1(1)に規定する事項の細目ごと。(イ)及び(ウ)において同じ。)
    (イ) 過去1年に指定の有効期間の延長をした件数
    (ウ) 過去1年に指定を解除した件数
    (エ) 特定秘密であった情報を記録する行政文書ファイル等を過去1年に国立公文書館等に移管した件数
    (オ) 特定秘密であった情報を記録する行政文書ファイル等を過去1年に廃棄した件数
    (カ) 過去1年に廃棄した特定行政文書ファイル等の件数
    (キ) 過去1年に処理した4(2)ア(ア)の通報の件数
    (ク) 過去1年に適性評価を実施した件数(警察庁長官にあっては、警察本部長が実施した適性評価の件数を含む。(ケ)及び(コ)において同じ。)
    (ケ) 過去1年に適性評価の評価対象者が特定秘密保護法第12条第3項の同意をしなかった件数
    (コ) 過去1年に申出のあった特定秘密保護法第14条の苦情の件数
    (サ) 過去1年に行った適性評価に関する改善事例
    (シ) その他参考となる事項
    イ 内閣保全監視委員会は、アの報告に加え、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出又は説明を求めることができる。
    ウ 内閣府独立公文書管理監は、内閣保全監視委員会に対し、ア(ア)から(キ)まで及び(シ)に掲げる事項に関し、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理についての意見を述べることができる。
    エ 内閣保全監視委員会は、アからウまでに定める報告、説明及び意見を取りまとめ、国民に分かりやすい形で取りまとめた概要を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を内閣総理大臣に報告するものとする。
    オ 内閣府独立公文書管理監は、毎年1回、特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正を確保するため内閣府独立公文書管理監及び行政機関の長がとった措置の概要を内閣総理大臣に報告するとともに、公表するものとする。
    (2) 特定秘密保護法第18条第2項に規定する者への報告
     内閣総理大臣は、毎年1回、(1)エの状況を特定秘密保護法第18条第2項に規定する者に報告し、その意見を聴かなければならない。
    (3) 国会への報告及び公表
    ア 内閣総理大臣は、毎年1回、(2)の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を国会に報告するとともに、公表するものとする。
    イ なお、両院に設置される情報監視審査会に報告する際には、行政機関の長が保存する特定秘密指定管理簿を取りまとめたものをアに添付するものとする。
    6 その他の遵守すべき事項
    (1) 2、3(1)イ、4(2)イ(エ)又は5(1)イに基づき特定秘密の提供を受けた内閣保全監視委員会又は内閣府独立公文書管理監は、当該特定秘密を提供した行政機関の長とあらかじめ協議して定めるところに従い、当該特定秘密を利用する職員の範囲を制限することその他の当該特定秘密の保護のために必要な措置を講じなければならない。
    (2) 内閣保全監視委員会は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するために必要な専門的技術的知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
    (3) 内閣府独立公文書管理監は、特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正を確保するために必要な専門的技術的知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
    Ⅵ 本運用基準の見直し
     政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、常にその運用の改善に努めつつ、定期的に、又は必要に応じて本運用基準について見直しを行うものとする。なお、特定秘密保護法の施行後5年を経過した場合においては、その運用状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。また、見直しの結果については、これを公表するものとする。
    Ⅶ 本運用基準の施行日
     本運用基準は、特定秘密保護法の施行の日(平成26年12月10日)から施行する。
    【別添様式】(略)
     

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