海洋生物資源の保存及び管理に関する法律 发表时间:2014年11月14日 | 发表人:

    (平成八年六月十四日法律第七十七号)

    最終改正:平成一九年六月六日法律第七七号
     
    (目的)
    第一条  この法律は、我が国の排他的経済水域等における海洋生物資源について、その保存及び管理のための計画を策定し、並びに漁獲量及び漁獲努力量の管理のための所要の措置を講ずることにより、漁業法 (昭和二十四年法律第二百六十七号)又は水産資源保護法 (昭和二十六年法律第三百十三号)による措置等と相まって、排他的経済水域等における海洋生物資源の保存及び管理を図り、あわせて海洋法に関する国際連合条約の的確な実施を確保し、もって漁業の発展と水産物の供給の安定に資することを目的とする。
    (定義等)
    第二条  この法律において「排他的経済水域等」とは、我が国の排他的経済水域、領海及び内水(内水面を除く。)並びに大陸棚(排他的経済水域及び大陸棚に関する法律 (平成八年法律第七十四号)第二条 に規定する大陸棚をいう。)をいう。
    2  この法律において「漁獲可能量」とは、排他的経済水域等において採捕することができる海洋生物資源の種類ごとの年間の数量の最高限度をいう。
    3  この法律において「漁獲努力量」とは、海洋生物資源を採捕するために行われる漁ろう作業の量であって、採捕の種類別に操業日数その他の農林水産省令で定める指標によって示されるものをいう。
    4  この法律において「漁獲努力可能量」とは、排他的経済水域等において、海洋生物資源の種類ごとにその対象となる採捕の種類並びに当該採捕の種類に係る海域及び期間を定めて漁獲努力量による管理を行う場合の海洋生物資源の種類ごとの当該採捕の種類に係る年間の漁獲努力量の合計の最高限度をいう。
    5  この法律において「特定海洋生物資源」とは、第一種特定海洋生物資源及び第二種特定海洋生物資源をいう。
    6  この法律において「第一種特定海洋生物資源」とは、排他的経済水域等において、漁獲可能量を決定すること等により保存及び管理を行うことが適当である海洋生物資源であって、政令で定めるものをいう。
    7  この法律において「第二種特定海洋生物資源」とは、排他的経済水域等において、漁獲努力可能量を決定すること等により保存及び管理を行うことが適当である海洋生物資源であって、政令で定めるものをいう。
    8  農林水産大臣は、前二項の政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
    (基本計画)
    第三条  農林水産大臣は、排他的経済水域等において海洋生物資源の保存及び管理を行うため、海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
    2  基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一  海洋生物資源の保存及び管理に関する基本方針
    二  特定海洋生物資源ごとの動向に関する事項
    三  第一種特定海洋生物資源ごとの漁獲可能量に関する事項
    四  前号に掲げる漁獲可能量のうち漁業法第五十二条第一項 に規定する指定漁業、同法第六十五条第一項 若しくは第二項 又は水産資源保護法第四条第一項 若しくは第二項 の規定に基づく農林水産省令の規定により農林水産大臣の許可その他の処分を要する漁業その他農林水産省令で定める漁業(以下「指定漁業等」という。)の種類別に定める数量に関する事項
    五  前号に掲げる数量について、操業区域別又は操業期間別の数量を定める場合にあっては、その数量に関する事項
    六  第三号に掲げる漁獲可能量(第四号に掲げる数量及び政令で定める者が行う第一種特定海洋生物資源の採捕に係る数量を除く。)について、海面がその区域内に存する都道府県(以下単に「都道府県」という。)別に定める数量に関する事項
    七  第四号に掲げる数量(第五号に掲げる数量を定めた場合にあっては、その数量。以下「大臣管理量」という。)に関し実施すべき施策に関する事項
    八  第二種特定海洋生物資源ごとの漁獲努力量による管理の対象となる採捕の種類並びに当該採捕の種類に係る海域及び期間並びに漁獲努力可能量に関する事項
    九  前号に掲げる漁獲努力可能量のうち指定漁業等の種類(漁獲努力量による管理の対象となる採捕の種類に限る。)別に定める量(以下「大臣管理努力量」という。)に関する事項
    十  第八号に掲げる漁獲努力可能量(大臣管理努力量を除く。)について、都道府県別に定める量に関する事項
    十一  大臣管理努力量に関し実施すべき施策に関する事項
    十二  その他海洋生物資源の保存及び管理に関する重要事項
    3  前項第三号及び第八号に掲げる事項は、最大持続生産量を実現することができる水準に特定海洋生物資源を維持し又は回復させることを目的として、同項第二号に掲げる事項及び他の海洋生物資源との関係等を基礎とし、特定海洋生物資源に係る漁業の経営その他の事情を勘案して定めるものとする。
    4  農林水産大臣は、基本計画を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
    5  農林水産大臣は、第二項第六号に掲げる数量又は同項第十号に掲げる量を定めようとするときは、あらかじめ、その関係部分について関係する都道府県の知事の意見を聴くものとし、当該数量又は量を定めたときは、遅滞なく、当該関係部分について関係する都道府県の知事に通知するものとする。
    6  農林水産大臣は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
    7  農林水産大臣は、特定海洋生物資源ごとの動向、特定海洋生物資源に係る漁業の経営その他の事情を勘案して、毎年少なくとも一回、基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない。
    8  農林水産大臣は、前項の検討を行うに当たっては、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
    9  第四項から第六項までの規定は、第七項の規定による基本計画の変更について準用する。
    (都道府県計画)
    第四条  都道府県の知事は、基本計画に即して、前条第二項第六号に掲げる数量又は同項第十号に掲げる量に関し実施すべき施策に関する都道府県の計画(以下「都道府県計画」という。)を定めるものとする。
    2  都道府県計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一  海洋生物資源の保存及び管理に関する方針
    二  前条第二項第六号に掲げる数量に関する事項
    三  前号に掲げる数量について、第一種特定海洋生物資源の採捕の種類別、海域別又は期間別の数量を定める場合にあっては、その数量に関する事項
    四  第二号に掲げる数量(前号に掲げる数量を定めた場合にあっては、その数量。第八条第二項において「第一種特定海洋生物資源知事管理量」という。)に関し実施すべき施策に関する事項
    五  前条第二項第十号に掲げる量に関する事項
    六  前号に掲げる量のうち第二種特定海洋生物資源の採捕の種類(漁獲努力量による管理の対象となる採捕の種類であって指定漁業等以外のものに限る。)別に定める量(以下「第二種特定海洋生物資源知事管理努力量」という。)に関する事項
    七  第二種特定海洋生物資源知事管理努力量に関し実施すべき施策に関する事項
    八  その他海洋生物資源の保存及び管理に関する重要事項
    3  都道府県の知事は、都道府県計画を定めようとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
    4  都道府県の知事は、都道府県計画(第二項第二号及び第五号に掲げる事項を除く。第八項において同じ。)を定めようとするときは、関係海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
    5  都道府県の知事は、都道府県計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
    6  農林水産大臣は、基本計画の変更により都道府県計画が基本計画に適合しなくなったと認めるときは、当該都道府県計画に係る都道府県の知事に対し、当該都道府県計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
    7  都道府県の知事は、前項の規定により通知を受けたときは、都道府県計画を変更しなければならない。
    8  都道府県の知事は、前項の場合を除くほか、指定海洋生物資源(次条第一項の第一種指定海洋生物資源及び第二種指定海洋生物資源をいう。以下同じ。)の動向、特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源に係る漁業の経営その他の事情を勘案して、毎年少なくとも一回、都道府県計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない。
    9  都道府県の知事は、前項の検討を行うに当たっては、関係海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
    10  第三項から第五項までの規定は、第七項又は第八項の規定による都道府県計画の変更について準用する。
    (指定海洋生物資源の保存及び管理)
    第五条  都道府県の知事は、特定海洋生物資源でない海洋生物資源のうち、都道府県の条例で定める海域(以下「指定海域」という。)において、都道府県漁獲限度量(指定海域において、指定漁業等を営む者及び第三条第二項第六号の政令で定める者以外の者が採捕することができる海洋生物資源の種類ごとの年間の数量の最高限度をいう。以下同じ。)を決定すること等により保存及び管理を行う海洋生物資源として都道府県の条例で定める海洋生物資源(以下「第一種指定海洋生物資源」という。)又は都道府県漁獲努力限度量(指定海域において、海洋生物資源の種類ごとにその対象となる採捕の種類並びに当該採捕の種類に係る海域及び期間を定めて都道府県漁獲努力量(海洋生物資源を採捕するために行われる漁ろう作業(指定漁業等を営む者に係るものを除く。)の量であって、採捕の種類別に操業日数その他の都道府県の規則で定める指標によって示されるものをいう。以下同じ。)による管理を行う場合の海洋生物資源の種類ごとの当該採捕の種類に係る年間の都道府県漁獲努力量の合計の最高限度をいう。以下同じ。)を決定すること等により保存及び管理を行う海洋生物資源として都道府県の条例で定める海洋生物資源(以下「第二種指定海洋生物資源」という。)について、都道府県計画において、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一  指定海洋生物資源ごとの動向に関する事項
    二  第一種指定海洋生物資源ごとの都道府県漁獲限度量に関する事項
    三  前号に掲げる都道府県漁獲限度量について、第一種指定海洋生物資源の採捕の種類別、海域別又は期間別の数量を定める場合にあっては、その数量に関する事項
    四  第二号に掲げる都道府県漁獲限度量(前号に掲げる数量を定めた場合にあっては、その数量。第八条第二項において「第一種指定海洋生物資源知事管理量」という。)に関し実施すべき施策に関する事項
    五  第二種指定海洋生物資源ごとの都道府県漁獲努力量による管理の対象となる採捕の種類並びに当該採捕の種類に係る海域及び期間並びに都道府県漁獲努力限度量に関する事項
    六  前号に掲げる都道府県漁獲努力限度量のうち第二種指定海洋生物資源の採捕の種類(当該都道府県漁獲努力量による管理の対象となる採捕の種類に限る。)別に定める量(以下「第二種指定海洋生物資源知事管理努力量」という。)に関する事項
    七  第二種指定海洋生物資源知事管理努力量に関し実施すべき施策に関する事項
    2  前項第二号及び第五号に掲げる事項は、最大持続生産量を実現することができる水準に指定海洋生物資源を維持し又は回復させることを目的として、同項第一号に掲げる事項及び他の海洋生物資源との関係等を基礎とし、指定海洋生物資源に係る漁業の経営その他の事情を勘案して定めるものとする。
    3  第一項の海域及び海洋生物資源を定める都道府県の条例は、都道府県が当該都道府県の地先水面(排他的経済水域等に限る。第十七条第三項において同じ。)の全部又は一部の海域において都道府県漁獲限度量又は都道府県漁獲努力限度量を決定すること等により特定の海洋生物資源の保存及び管理を行う必要があると認める場合に定めることができる。
    第六条  都道府県の知事は、都道府県計画(前条第一項に掲げる事項に限る。)の実施の効果が適切に確保されるようにするため特に必要があると認めるときは、農林水産大臣又は関係する都道府県の知事に対し、農林水産大臣又は関係する都道府県の知事が講ずべき措置について、必要な要請をすることができる。
    (基本計画等の達成のための措置)
    第七条  農林水産大臣は基本計画(第三条第二項第六号及び第十号に掲げる事項を除く。)の達成を図るため、都道府県の知事は都道府県計画の達成を図るため、この法律の規定による措置のほか、漁業法第三十四条第一項 (同法第六十三条第一項 において読み替えて準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項、第三十九条第一項(同法第六十三条第一項 において読み替えて準用する場合を含む。)若しくは第五項、第六十五条第一項若しくは第二項若しくは第六十六条第一項又は水産資源保護法第四条第一項 若しくは第二項 の規定による水産動植物の採捕の制限等の措置その他の必要な措置を講じなければならない。
    2  都道府県の知事は、都道府県計画の達成を図るため漁業法第三十四条第四項 の規定を適用しようとするときは、同項 に規定する海区漁業調整委員会の申請によらず、漁業権に制限又は条件を付けることができる。この場合においては、同条第二項 及び同法第三十七条第四項 の規定を準用する。
    (採捕の数量又は漁獲努力量等の公表)
    第八条  農林水産大臣は、大臣管理量の対象となる採捕の数量が当該大臣管理量を超えるおそれがあると認めるとき、又は大臣管理努力量の対象となる漁獲努力量が当該大臣管理努力量を超えるおそれがあると認めるときは、当該採捕の数量又は漁獲努力量その他農林水産省令で定める事項を公表するものとする。
    2  都道府県の知事は、第一種特定海洋生物資源知事管理量若しくは第一種指定海洋生物資源知事管理量(以下「知事管理量」と総称する。)の対象となる採捕の数量が当該知事管理量を超えるおそれがあると認めるとき、又は第二種特定海洋生物資源知事管理努力量若しくは第二種指定海洋生物資源知事管理努力量(以下「知事管理努力量」と総称する。)の対象となる漁獲努力量若しくは都道府県漁獲努力量が当該知事管理努力量を超えるおそれがあると認めるときは、当該採捕の数量又は漁獲努力量若しくは都道府県漁獲努力量その他農林水産省令で定める事項を公表するものとする。
    (助言、指導又は勧告)
    第九条  農林水産大臣は、前条第一項の規定による公表をした後において、大臣管理量の対象となる採捕の数量が当該大臣管理量を超えないようにするため必要があると認めるとき、又は大臣管理努力量の対象となる漁獲努力量が当該大臣管理努力量を超えないようにするため必要があると認めるときは、当該大臣管理量又は大臣管理努力量に係る採捕を行う者に対し、当該大臣管理量又は大臣管理努力量に係る採捕に関し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
    2  都道府県の知事は、前条第二項の規定による公表をした後において、知事管理量の対象となる採捕の数量が当該知事管理量を超えないようにするため必要があると認めるとき、又は知事管理努力量の対象となる漁獲努力量若しくは都道府県漁獲努力量が当該知事管理努力量を超えないようにするため必要があると認めるときは、当該知事管理量又は知事管理努力量に係る採捕を行う者に対し、当該知事管理量又は知事管理努力量に係る採捕に関し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
    (採捕の停止等)
    第十条  農林水産大臣は、大臣管理量の対象となる採捕の数量が当該大臣管理量を超えており、若しくは超えるおそれが著しく大きいと認めるとき、又は大臣管理努力量の対象となる漁獲努力量が当該大臣管理努力量を超えており、若しくは超えるおそれが著しく大きいと認めるときは、農林水産省令で、期間を定め、当該大臣管理量又は大臣管理努力量に係る採捕を行う者に対し、当該大臣管理量又は大臣管理努力量に係る特定海洋生物資源をとることを目的とする採捕の停止その他当該特定海洋生物資源の採捕に関し必要な命令をすることができる。
    2  都道府県の知事は、知事管理量の対象となる採捕の数量が当該知事管理量を超えており、若しくは超えるおそれが著しく大きいと認めるとき、又は知事管理努力量の対象となる漁獲努力量若しくは都道府県漁獲努力量が当該知事管理努力量を超えており、若しくは超えるおそれが著しく大きいと認めるときは、都道府県の規則で、期間を定め、当該知事管理量又は知事管理努力量に係る採捕を行う者に対し、当該知事管理量又は知事管理努力量に係る特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源をとることを目的とする採捕の停止その他当該特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源の採捕に関し必要な命令をすることができる。
    (割当てによる採捕の制限)
    第十一条  農林水産大臣は指定漁業等について基本計画に基づき、都道府県の知事は漁業法第六十五条第一項 若しくは第二項 若しくは水産資源保護法第四条第一項 若しくは第二項 の規定に基づく規則の規定又は漁業法第六十六条第一項 の規定により都道府県の知事の許可その他の処分を要する漁業(第十八条第一項において「知事許可漁業」という。)について都道府県計画に基づき、採捕を行う者別に、大臣管理量又は知事管理量に係る漁獲量の限度の割当てを当該大臣管理量又は知事管理量による管理の対象となる一年の期間の開始前に行うことができる。
    2  農林水産大臣又は都道府県の知事は、前項の割当てを行おうとするときは、少なくとも次に掲げる事項を勘案して割当ての基準を定め、これに従って割当てを行わなければならない。
    一  採捕を行う者が使用する船舶の隻数又は総トン数
    二  採捕を行う者の採捕の状況
    3  農林水産大臣は、前項の基準を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
    4  都道府県の知事は、第二項の基準を定めようとするときは、関係海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
    5  第一項の規定により漁獲量の限度の割当てを受けた者は、当該割当てに係る海域においては、その受けた数量を超えて当該割当てに係る第一種特定海洋生物資源又は第一種指定海洋生物資源の採捕を行ってはならない。
    (停泊命令)
    第十二条  農林水産大臣は、大臣管理量に係る採捕を行う者が第十条第一項の命令若しくは前条第五項の規定に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると認めるとき、又は大臣管理努力量に係る採捕を行う者が第十条第一項の命令に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると認めるときは、その採捕を行う者に対し、当該違反行為に使用した船舶につき、停泊港及び停泊期間を指定して当該船舶の停泊を命ずることができる。
    2  都道府県の知事は、知事管理量に係る採捕を行う者が第十条第二項の命令若しくは前条第五項の規定に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると認めるとき、又は知事管理努力量に係る採捕を行う者が第十条第二項の命令に違反する行為をし、かつ、当該行為を引き続きするおそれがあると認めるときは、その採捕を行う者に対し、当該違反行為に使用した船舶につき、停泊港及び停泊期間を指定して当該船舶の停泊を命ずることができる。
    3  農林水産大臣又は都道府県の知事は、前二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
    4  第一項又は第二項の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
    (協定の締結)
    第十三条  大臣管理量又は大臣管理努力量に係る採捕を行う者は、当該大臣管理量又は大臣管理努力量に係る特定海洋生物資源の保存及び管理に関する協定を締結し、当該協定が適当である旨の農林水産大臣の認定を受けることができる。
    2  知事管理量又は知事管理努力量に係る採捕を行う者は、当該知事管理量又は知事管理努力量に係る特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源の保存及び管理に関する協定を締結し、当該協定が適当である旨の都道府県の知事の認定を受けることができる。
    3  前二項の協定(以下単に「協定」という。)においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一  協定の対象となる海域並びに特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源及びその採捕の種類
    二  特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源の保存及び管理の方法
    三  協定の有効期間
    四  協定に違反した場合の措置
    五  その他農林水産省令で定める事項
    (協定の認定等)
    第十四条  農林水産大臣又は都道府県の知事は、前条第一項又は第二項の認定の申請が次の各号のすべてに該当するときは、これらの規定による認定をするものとする。
    一  協定の内容が大臣管理量、大臣管理努力量、知事管理量又は知事管理努力量の管理に資すると認められるものであること。
    二  協定の内容が不当に差別的でないこと。
    三  協定の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
    四  その他農林水産省令で定める基準
    2  前項に規定するもののほか、協定の認定(協定の変更の認定を含む。)及びその取消し並びに協定の廃止に関し必要な事項は、政令で定める。
    (協定への参加のあっせん)
    第十五条  第十三条第一項又は第二項の認定を受けた協定(以下「認定協定」という。)に参加している者は、認定協定の対象となる海域において認定協定の対象となる種類の特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源について認定協定の対象となる種類の採捕を行う者であって認定協定に参加していないものに対し認定協定を示して参加を求めた場合においてその参加を承諾しない者があるときは、農林水産省令で定めるところにより、同条第一項又は第二項の認定をした農林水産大臣又は都道府県の知事に対し、その者の承諾を得るために必要なあっせんをすべきことを求めることができる。
    2  農林水産大臣又は都道府県の知事は、前項の規定による申請があった場合において、認定協定に参加していない者の認定協定への参加が前条第一項の規定に照らして相当であり、かつ、認定協定の内容からみてその者に対し参加を求めることが特に必要であると認めるときは、あっせんをするものとする。
    (漁業法 等による措置)
    第十六条  認定協定に参加している者は、その数が認定協定の対象となる海域において認定協定の対象となる特定海洋生物資源又は指定海洋生物資源について認定協定の対象となる種類の採捕を行う者のすべての数の三分の二以上であって農林水産省令で定める割合を超えていることその他の農林水産省令で定める基準に該当するときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣又は都道府県の知事に対し、認定協定の目的を達成するために必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
    2  農林水産大臣又は都道府県の知事は、前項の規定による申出があった場合において、漁業調整、水産資源の保護培養その他公益のために必要があると認めるときは、その申出の内容を勘案して、漁業法第三十四条第一項 (同法第六十三条第一項 において読み替えて準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項、第六十五条第一項若しくは第二項若しくは第六十六条第一項又は水産資源保護法第四条第一項 若しくは第二項 の規定による水産動植物の採捕の制限等の措置その他の適切な措置を講ずるものとする。
    3  都道府県の知事は、第一項に規定する申出に基づき漁業法第三十四条第四項 の規定を適用しようとするときは、同項 に規定する海区漁業調整委員会の申請によらず、漁業権に制限又は条件を付けることができる。この場合においては、同条第二項 及び同法第三十七条第四項 の規定を準用する。
    4  前項の規定は、第一項に規定する申出に基づき農林水産大臣が漁業法第百三十六条 の規定により同法第三十四条第四項 の規定を適用しようとする場合について準用する。
    (採捕の数量又は漁獲努力量等の報告)
    第十七条  指定漁業等を営む者であって農林水産省令で定めるものは、排他的経済水域等において第一種特定海洋生物資源を採捕したときは、農林水産省令で定めるところにより、採捕の数量その他採捕の状況に関し農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しなければならない。
    2  大臣管理努力量に係る採捕を行う者は、当該大臣管理努力量の対象となる漁獲努力量に係る漁ろう作業を行ったときは、農林水産省令で定めるところにより、漁獲努力量その他採捕の状況に関し農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告しなければならない。
    3  指定漁業等を営む者及び第三条第二項第六号の政令で定める者以外の者であって都道府県の規則で定めるものは、当該都道府県の地先水面において第一種特定海洋生物資源を採捕したとき、又は当該都道府県の指定海域において当該都道府県の第一種指定海洋生物資源を採捕したときは、都道府県の規則で定めるところにより、採捕の数量その他採捕の状況に関し農林水産省令で定める事項を当該都道府県の知事に報告しなければならない。
    4  知事管理努力量に係る採捕を行う者は、当該知事管理努力量の対象となる漁獲努力量又は都道府県漁獲努力量に係る漁ろう作業を行ったときは、都道府県の規則で定めるところにより、漁獲努力量又は都道府県漁獲努力量その他採捕の状況に関し農林水産省令で定める事項を当該都道府県の知事に報告しなければならない。
    (報告及び立入検査)
    第十八条  農林水産大臣は特定海洋生物資源の採捕を行う指定漁業等を営む者その他の関係者に対し、都道府県の知事は特定海洋生物資源又は当該都道府県の指定海洋生物資源の採捕を行う知事許可漁業を営む者その他の関係者に対し、この法律の施行に必要な限度において、採捕の状況その他の必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、これらの者の漁場、船舶、事業場、事務所若しくは倉庫に立ち入り、業務の状況若しくは漁獲物、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
    2  前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
    3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
    (水産政策審議会による報告徴収等)
    第十九条  水産政策審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するために必要があると認めるときは、特定海洋生物資源の採捕を行う指定漁業等を営む者その他関係者に対し出頭を求め、若しくは必要な事項に関し報告を求め、又はその委員若しくはその事務に従事する者に漁場、船舶、事業場若しくは事務所について所要の調査をさせることができる。
    (事務の区分)
    第二十条  この法律(第三条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)及び第六条を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。
    (経過措置)
    第二十一条  この法律の規定に基づき政令、農林水産省令又は都道府県の条例若しくは規則を制定し、又は改廃する場合においては、その政令、農林水産省令又は都道府県の条例若しくは規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
    (罰則)
    第二十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
    一  第十条第一項又は第二項の命令に違反した者
    二  第十一条第五項の規定に違反した者
    三  第十二条第一項又は第二項の規定による命令に違反した者
    第二十三条  前条第一号又は第二号の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船又は漁具その他海洋生物資源の採捕の用に供される物は、没収することができる。ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
    第二十四条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
    一  第十七条第一項から第四項までの規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
    二  第十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
    第二十五条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十二条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

       
    附 則
    (施行期日)
    第一条  この法律は、海洋法に関する国際連合条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
    (対象水域の明確化)
    第一条の二  第二条第一項の規定の適用については、当分の間、同項中「我が国の排他的経済水域」とあるのは「我が国の排他的経済水域(排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)第四条の条約の規定により我が国が海洋生物資源の採捕に関する主権的権利を行使する水域の範囲について調整が行われるときは、その調整後の水域とする。)」と、「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)」とあるのは「同法」とする。
    第一条の三  前条の規定により読み替えて適用される第二条第一項に規定する調整が行われる場合における同項に規定する主権的権利に関する排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第三条の規定の適用については、同条第一項第一号中「排他的経済水域」とあるのは、「排他的経済水域(海洋生物資源の保存及び管理に関する法律(平成八年法律第七十七号)附則第一条の二の規定により読み替えて適用される同法第二条第一項の排他的経済水域をいう。以下この条において同じ。)」とする。
    (適用の特例)
    第二条  第七条から第二十五条までの規定については、政令で、第一種特定海洋生物資源を指定して適用しないこととすることができる。ただし、政令で期限を定めたときは、その期限までの間に限る。
    (基本計画及び都道府県計画に係る経過規定)
    第三条  基本計画及び都道府県計画は、平成九年以降の漁獲可能量について定めるものとする。
    (施行期日)
    第一条  この法律は、漁業に関する日本国と大韓民国との間の協定の効力発生の日から施行する。
    (罰則の適用に関する経過措置)
    第三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
    (施行期日)
    第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
    一  第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
    (国等の事務)
    第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
    (処分、申請等に関する経過措置)
    第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
    2  この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
    (不服申立てに関する経過措置)
    第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
    2  前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
    (手数料に関する経過措置)
    第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
    (罰則に関する経過措置)
    第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
    (その他の経過措置の政令への委任)
    第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
    2  附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
    (検討)
    第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
    第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
    第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
    (施行期日)
    第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
    (施行期日)
    第一条  この法律は、公布の日から施行する。
    (施行期日)
    第一条  この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
    (経過措置)
    第二条  この法律の施行前に、この法律による改正後の海洋生物資源の保存及び管理に関する法律第二条第六項又は第七項の政令の制定に当たってその立案をするときは、この法律による改正前の海洋生物資源の保存及び管理に関する法律第二条第四項の規定の例による。
    (政令への委任)
    第三条  前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
    (施行期日)
    第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
     

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